223 豊葦原の花祭
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[気がつけば周囲も薄暗く翳り、空には半月が申し訳程度に顔を出す頃。 人の気配や賑やかさにつられて、フラフラとミツボシは広場へと向かっていた。]
わぁ……すげーなー
[遠景から眺めてみれば、天を突くような巨木に薄く桃色が芽吹き、提灯やら何やらで根元にも明かりが点っている。 光る木と光る草の絨毯のようだ。]
に、しても…これは…
[腹部に響く太鼓の音、脳を貫く笛の音。 原始的(プリミティブ)な音の波にはまだ慣れず、ミツボシは独り言さえ聞こえぬ祭りの喧騒に酔いそうになる。]
っ!あ、すいません…
[よろめいて歩いていると、通行人にぶつかりそうになった。 それが後ろから来たものなのか、前から来たものなのかも分からない。
……そもそも、己が今どこに居るかも分からなくなっていた。**]
(3) 2015/04/18(Sat) 09時半頃
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/*>>3 ふくぶにひびく、たいこの「ね」 のうをつらぬく、ふえの「おと」
って読むと語呂が良いよ!
(-3) 2015/04/18(Sat) 09時半頃
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->>25-
[ミツボシはふわりと尻の浮く無重力を感じたのもつかの間、流し眼の美しい男性に背中をトンと支えられて重心を取り戻した。]
ぉえ?あ?久しぶり?
[男とは面識がないと思いつつも、オウム返しに同じ言葉が口から出た。 よくよく男の姿を見てみれば、ぼんぼりの光に反射する顔はやや赤い。ほろ酔いイイ気分か。 そして、男が手に持つ綿菓子が、先程の光の木と草の絨毯を思い起こさせる。 淡いピンクのそれは、ああ、ここが死後の世界だとしても、ミツボシにとっては映像でしか見たことのない過去の遺物で。]
……美味し、そう…
[ごくり、と男の手の中の綿飴を見つめながら、ミツボシは未知のお菓子へ想いを馳せるのだった。
中々卑しいぞ、この小娘。]
(46) 2015/04/19(Sun) 00時半頃
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->>51-
[ミツボシは、砂利と煤で汚れた身体も気にせず、ほいっと手渡された、幻の菓子――少なくとも、少女の生きてきた世代には絶滅していた――を恐る恐る受け取る。]
ほぉをぉぉ……! これが…What'a amen...!
[眼をキラキラ輝かせ綿飴を眺めるミツボシ。 はむはむと綿飴の端を口に咥える彼女は、ふと気がついたように男に向かって問いを投げた。]
はっ…!肝心なことを忘れてた! おじさん、なんでみんなお祭りなんかしてるの!? River San-Zuを渡る時ってお祭りなの!?
[どうやら ミツボシは さくらんしているようだ! 意味不明なことを口走る少女に、男は花祭りのことを教えてくれただろうか。]
(70) 2015/04/19(Sun) 13時頃
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/* うっかりするとミツビシって打っちゃう癖なんとかしたい。 誤字ってたらみんなそっと心の中で読み変えてください。
(-46) 2015/04/19(Sun) 13時頃
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−屋台村→巨木の方へ−
バイバイ、おじ…お兄さーん!
[綿菓子を貰ったからか、すっかり気を許した面持ちで手を振り男に別れを告げる。 袖の近くでヒラヒラと舞っていた蝶はホログラムだろうか?とミツボシは一瞬思ったが、どうやら男の話を聞く限りこの場所はそれほど電子技術が発達しているようではないらしい。 その代わり、旧世代のアミニズム的な信仰の下、この祭りが行われていると聞いた。花祭り。 そもそも、ミツボシの住んでいた世界では祭りなど開かれなくなって久しい。
だから、少女にとっては、初めてのお祭りなのだ。]
おぉー…なるほど、糖をひも状に溶融させてるだけなんだなー…キシシ、糖の粘着力があるから幾重も絡みついて綿のようになるわけねー……構造は単純なのに不っ思議ー…
[あむあむ、と妙な咀嚼音を出しつつ、屋台通りを巨木に向けて抜ける。 綿菓子の男と話をした結果、巨木――薄墨桜に向かえば迷わないだろうと推測がついた。]
……外神(ことかみ)、ねぇ。
[綿から覗いた芯棒をペロリと舐めながら、少女は先程の男がチラリと口にした言葉を反芻した。]
(73) 2015/04/19(Sun) 14時半頃
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[はてさて屋台の並ぶ通りを歩いていると、綿菓子もミツボシの口の中へ吸いこまれては溶けて消えてゆく。 死後の世界かと思ったこの場所は、どうやら自分が元居た世界ではないのかもしれない。既に絶滅したはずの文化がこうして根付いているところを見ても。 それに、ミツボシの記憶には地上にあんな大きい桜の木はなかったはず。]
そりゃ、桜見たいって思ったけど…思ったけどさぁ…>>0:76
(…神様、今わの際の願いを叶えるスケールがデカすぎです。)
[最後の綿の一欠片を口の中へと運び、芯棒の竹串を近くのゴミ箱へと放る。 と、そのゴミ箱の傍には何やら食べ物を売る屋台があり。]
「……にゃァー!」>>85
[突如、店番らしき女性が悲鳴を上げながら着物を正す。 ビクリ、とその悲鳴にミツボシの身体も反応してしまう。]
え、ちょ、アレですか!これはまさか捨てちゃいけないものでしたか! 芯棒は流石に捨てるものと思ってましたが!ジャパンが世界に誇るモッタイナイ精神!?
[店番の女性が目の前で落ち込んでいるとも知らず、ミツボシは捨ててしまった芯棒を探そうとゴミ箱へと手を伸ばそうとしていた。]
(94) 2015/04/19(Sun) 20時半頃
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