112 燐火硝子に人狼の影.
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は。 そりゃ、良かった、わ。 あァ、同じに、なんか……
[痛みで鈍った感覚の中。 このこえ>>*10の主がより近くに居たことに、その時、気づかなかった。]
(*11) sakanoka 2013/02/09(Sat) 01時頃
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――…ならずとも、構わない。 私はあの日、人間であった「サリス」に出会い 心惹かれたのだから、な。
[クツ、とまた笑みが零れる]
(*12) helmut 2013/02/09(Sat) 01時頃
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――…サリス。 苦しくないように、と彼女は言っているが。
彼女の望む安らかな死を与えるか
光を失い、声を失い、腕を失い――… 果てぬ苦しみを負わせて生かすか。
好きな方を選ぶが良い。
(*13) helmut 2013/02/09(Sat) 01時半頃
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何、だよ、 それなのに、「おなじに」、とか言いやがって、た、とか。
っつか、メアリーに、言ったばっかじゃ、ねェ、か、今、 人間の食事と同じ、って、 なのに、ひかれた、と か、
[彼はおそらくグロリアに対しても、「おなじ」ならぬものでありながら、妹として愛していたのだろうと思う。 けれど、己は?心惹かれた、とは―――。 取り留めのない言葉は、戸惑いの表れ。]
なに、笑ってん、だよ……、
(*14) sakanoka 2013/02/09(Sat) 02時頃
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「おなじに」と望まねば――… 何れ壊してしまうから。
[人間と人狼は共存出来ないと思う。 飢えをやり過ごす術を知らず生きてきた]
人間は、食事と、同じだと思っている。 生きるために、必要な糧。
けれど、あの日、あの夜――… 「サリス」と名乗ったあの存在を消すのは惜しいと思った。 獲物を見逃したのは、一度きり。 私の姿を見て、生き延び、再び出会ったのは 「サリス」だけ――。
[妹にさえ見せたことのない姿。 それを知る人間で生きているのはただひとりきり]
(*15) helmut 2013/02/09(Sat) 02時頃
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……………………、
ばか。 決まってン、だろ。
あの子の、メアリーの、願う、通りに、しろ 。
(*16) sakanoka 2013/02/09(Sat) 02時頃
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――…、サリス。
お前も、十分、莫迦だと思うぞ。
[彼の言葉を否定はしない、返し]
(*17) helmut 2013/02/09(Sat) 02時頃
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――…本当に、良いのだな?
[再度、サリスに尋ねる。 微笑む少女の向こうに彼の姿を翡翠はとらえ]
(*18) helmut 2013/02/09(Sat) 02時半頃
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[その時響いたこえ>>*15には、直ぐには何も答えなかった。 未だ捉えきれていない、受け入れ切れていない、と言うべきだったかもしれない。 寄せる思いは、一人の少女の生死を分かつ方へと>>*17>>*18。]
あァ。 どうせオレは、馬鹿で、結構。
[その答えから、リヒトは約を違えぬだろうと。 過った安堵は安堵のようでいて、それでもなお痛み滲むもの。]
……………………、
[今一度続く尋ねには、幾許かの間が空き。]
(*19) sakanoka 2013/02/09(Sat) 02時半頃
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良い、よ。
苦しませてまで、生か、し、て……なんざ、でき、ねェ。 あの子が、願った、通り、に、して、くれ。
[生きろ、と。そうとばかり人に言ってきた男は。 今ここで、今度こそ、その死を受け入れようとした。]
(*20) sakanoka 2013/02/09(Sat) 02時半頃
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――…嗚呼。
[翡翠は彼を見詰めたまま 短い了承の言葉をサリスへと向けた。]
(*21) helmut 2013/02/09(Sat) 02時半頃
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[サリスに見るなとは言わなかった。 視界を遮ることもしない。 見るも見ないも、彼の選択次第]
(*22) helmut 2013/02/09(Sat) 03時頃
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[どのくらいしてか、此処で漸く、あの時のこえ>>*15のことを思う。 零したこえに震えも何のいろも滲まないのは憔悴の証。]
なァ、リヒト。 グロリアさんは。妹さんは。 あんたの正体、あんたの「姿」を、知らねェ、のか。
……まるで。オレばっかり、が。 一度きりだとか、特別だとか、言いたげ、な。 惜しい、とか。 壊したくねェ、みたい、な。
[見詰めてきた翡翠のいろ。 ある程度、その主の言葉の意味は、察していた。]
(*23) sakanoka 2013/02/09(Sat) 03時半頃
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答えろ。リヒト。
オレを――サリスを。これから、どうしたいんだ。
[かつての少年は、俯いたまま、その未来を、問う。**]
(*24) sakanoka 2013/02/09(Sat) 03時半頃
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[名を呼ばれ薄っすらと濡れた翡翠がサリスを見遣る。 力を失いくずおれる少女の身体を片腕で支え 己も膝を折り血だまりの中、そっと少女を寝かせた]
――…なんだ。 グロリアに興味があるのか?
[妹の名を聞けば怪訝そうに片眉が跳ねる]
妹は兄が人狼だとは知らない。 獣の姿を見せた事は一度もない。 知られれば、喰らうより他ないからな。
[血をわけた双子の妹でさえ、見逃す心算ないと告げる]
(*25) helmut 2013/02/09(Sat) 04時頃
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[答えろ、と言うサリスの聲が血の酔いから醒ますよう]
――…莫迦だが、そう、鈍くもないか。
[知性の色灯る翡翠が俯く彼をじ、と見据える。 言った事を覆しはしなかった]
はじめて出逢ったあの月夜から 「サリス」は私にとっては特別な存在だ。 もう二度と逢わぬだろうと思ってはいたが お前の見せたあの貌も、耳朶打つあの声も 忘れた夜は、なかった。
[其れを吐露するのも、獣の気まぐれではあるが 相変わらずといった風情でサリスに偽りは混ぜず]
(*26) helmut 2013/02/09(Sat) 04時頃
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これから、か。
[ぽつ、と呟き、柳眉を寄せる。 逡巡するような躊躇うような間があいて]
サリス。 お前はこれからもそのまま在れば良い。 逃げる事を望んでも、逃がしてはやらぬ。
命尽きるその日まで私の傍に在れ。
[命尽きるその日まで。 たとえ壊れてしまおうとも。 傍らにあることを望むと答える聲は酷く傲慢で**]
(*27) helmut 2013/02/09(Sat) 04時頃
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[水音を立てる舌先。その主が血だまりの中に横たえた少女の身体。その様を見ることも、向けられる瞳のいろも見ることもなく、男は俯いたまま――。 返ってきた答え>>*25に、頷くでもなく微かな息を吐いてから。]
興味、っつか。 一緒の、家族、なのに、何も知らねェんだ、って。 あんた に、似て、賢そう、なのに……。
[詰りそれ程にまで隠し通そうという意思なのだろう、と。 譬え「家族」であっても、と――。男はそう思う。 そしてそれにも関わらず、此処には「見逃された」人間がただひとり居る。]
(*28) sakanoka 2013/02/09(Sat) 19時頃
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[その気紛れが、意識に触れた時>>*26。 その時に漸く、サリスはゆっくりと面を上げた。]
馬鹿か。 ンな顔見て、酷ェ声聞いといて、特別、とか。 ……趣味悪ぃ、わ。やっぱ。
[憔悴したままの瞳が、じっと見据えるその瞳と合う。 その翡翠に愚鈍のいろは無いと感じた上で、力無い悪態を。 ――けれどその翡翠は何処か、薄らと濡れてさえいるよう。]
(*29) sakanoka 2013/02/09(Sat) 19時頃
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[返答>>*27には、確かな間があった。 力ない瞳は、それでも確と、リヒトを見ていた。]
は、ざまァねェ、わ、
[「そのまま在れば良い」。その言葉の裏に有るスタンスはサリスには覚れない。 ただ、死するまで彼に囚われること。それは察した。 人狼に与して人々を死なせた身には、まるでお似合いの末路。 その中でまた、このうつくしい男は苦痛を与えてくるのだろう。 ……そう、思いつつも。]
好きにしろ。 ―――…さいごまで、居てやる、よ。
[この傲慢な男の――ひとりに慣れたと言っていた筈の男の。 その傍に在り続けること。それを、受け入れた。]
(*30) sakanoka 2013/02/09(Sat) 19時頃
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悪ぃ。 首に傷、付けちまって。
……屋台の約束も、できねェかも、な。
[彼女と対峙する意味を失ってしまったが故の。 そして再び出会うこともないかもしれない故の、小さな謝罪。]
(*31) sakanoka 2013/02/09(Sat) 20時頃
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嗚呼。
[終わりを示す言葉に短い応え。 ミドルの考えを聞けば頷きを返す。 メアリーの願いを彼女も聞いていただろう。 再度、それを口にするのは無粋と飲み込み]
生き延びて――… 二度とこのような事がないよう祈るよ。
[同胞の無事を願う聲をエントランスに向かう背に投げた]
(*32) helmut 2013/02/09(Sat) 23時頃
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[双子の妹に関しては何か思い出したように、笑った]
賢い子だからこそ、言えはしない。 兄とはいえ人狼を野放しにすればどうなるか知れるから 思い悩んだ末に人狼を退治しようとするだろう。 家族を守るためにそうする、と、 幼かった妹がそう言っていたからな。
[家族なのに、とサリスは言う。 家族だから、とリヒトは思う。 人である家族の前では獣である己を隠し人である振りをして 同じであるよう偽らなければその形を保てないのだ、と]
(*33) helmut 2013/02/09(Sat) 23時頃
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趣味が悪いとは失礼だな。
[言葉とは裏腹に気分を害した風ではなく]
恐怖に引き攣る、顔。 なきながら死にたくない助けてと懇願する声。 ――…何よりも魅力的だろう?
[微かに意地の悪い響きをのせて、わらう]
(*34) helmut 2013/02/09(Sat) 23時頃
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[聞こえた謝罪>>*31の律儀さに、笑みを零した。 爪痕はしばらく残るかもしれないが、 それもやがて消えるだろう。]
そんな約束もしていましたね……
もし、再び縁があれば。 その時は、特製を食べさせていただきます。
[あの街の広場へ行っても、虹色の看板を見る事はないだろう。 そして己もまた、街へ足を踏み入れるつもりはなく、 二度と見える事はないかもしれないが。
確かではない再会の時があるならば。 少しだけ希望を含めた声を残した。]
(*35) 緋灯 2013/02/09(Sat) 23時頃
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さようなら。
死ぬまでどうぞお元気で。
[同胞達への別れの言葉。 それは遠く、やがて消えゆく。]
(*36) 緋灯 2013/02/09(Sat) 23時頃
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[兄を人狼と知らぬ妹であるならば。 その言葉もまた、兄を護りたい意思から来ているのだろう。]
そ、っか。
…………退治されちゃ、敵わねェ、もんな。
[そして、妹がそうすると思うからこそ隠す兄ならば。 こえに出してはこのように言ったが――。 敢えて報せぬは優しい兄だと。取り留めなく、淡く思う。が――。]
(*37) sakanoka 2013/02/10(Sun) 00時半頃
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――――…あァ。
[もうその少女>>*36にも届かぬ程、遠い距離からの声ながら。 一度、その別れの言葉に、頷いていた。**]
(*38) sakanoka 2013/02/10(Sun) 00時半頃
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[退治される未来は願わない。 その未来こそが特別な者の為と知りながら 獣は生きることを選ぶ。
“さいごまで、居てやる、よ。”
人間の言葉など信じる気になどなれぬが 今だけはサリスの言葉を信じたいと心の片隅で思う]
(*39) helmut 2013/02/10(Sun) 01時頃
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[響く銃声。 ミドルからの別れの言葉が聞こえる]
キミからの餞別は頂いておくよ。 母君の分まで末永く――…
[かつて旅先でまみえた同胞たちと同じように 慣れ合うでもなくあっさりとした別れ。 さよならの言葉のかわり、獣の咆哮が月夜に響く]
(*40) helmut 2013/02/10(Sun) 01時半頃
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