194 花籠遊里
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[花は、花。
花を買う気持ちに理解は無い。>>96 真似事をしようとも、結局は真ではなく。 遠い将来に、約束の一度が在れば其れは経験になるだろうが、其れもまた、今ではなく。>>2:204]
(104) 2014/09/20(Sat) 22時半頃
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[優しくしているのは、きっと己の為。 好き好んで花籠に咲く訳ではない己を慰めるための。
せめて、愛無くとも優しさが在って欲しいと望む、傲慢な花。
錆色の蝶の真逆に。]
(*24) 2014/09/20(Sat) 22時半頃
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[白い素肌の蝶を穢していく。 其れを見守りながら、体勢の変わる彼を、指は弄り続ける。
声に、吐息に篭る熱を見詰めながら、己は置物が如く、薄く笑むばかり。
――其の笑みに、歪に軋み音を立てる物が、微かに混じる。
男を抱き、抱かれる事に嫌悪していた頃の自分を思い出すのは、霧雨よりも冷えた花主の指に触れた所為か。]
(105) 2014/09/20(Sat) 22時半頃
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丁助は、ヘクターへと一度視線を向け、逸らした。
2014/09/20(Sat) 22時半頃
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[横暴さに似合わぬ髪を撫ぜる温かみは、 甘露となって己の痴態を肯定する。
ヘクターも欲情しているのだろうか。 その吐息に熱さが含まれているのを感じ取れば、奉仕が報われる悦びを知る。]
う……はい。
[精を塗り込めよとの命令には流石に躊躇するが、細長い指を伸ばして滴る液に穢させる。 そしてぬちゃりと水音を立てながら自らの胸の突起に触れ始めた。 そうすれば熱源は容赦なく清潔だった卵型の爪先すら穢していく。]
(106) 2014/09/20(Sat) 23時頃
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[身体の隅々まで目の前の悪辣な男に犯されつつあった。 声すらも犯さんと彼は啼き声を所望する。]
あっ、ふ……。
[不器用に声を漏らし始めると、彼は肩を掴んでぐりりと突起を嬲った。]
ああっ…!好い……、
[櫻の花のように可憐な声でもないが、それでもいつもより少し高い媚びた声が漏れた。 自分の耳に届く自分自身の声の無様さにまた羞恥の感情が浮かび上がる。溺れて、羞恥してのサイクルは僕をより深淵へと導く。
優しく解され続ける後ろからも微かな水音が響いていた。]
(107) 2014/09/20(Sat) 23時頃
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―――…誰も彼も、遠ざけて。 お前さんは本当に悪質にて寂しい花よな。
[ふと漏らした言葉は、常に偽りを貼り付ける彼に向けて。 誰に買われる姿を見送ろうと、彼の表情はいつも変わりない。 常に淡く笑んだ顔は、己より、花主より、ずっと胡散臭い。
心を明かさぬ、花としての彼。>>104 きっと、散り際さえも、差して変わらぬ。>>105
憐れむのではなく、真実を語るように開いた唇は、一度閉じ。 されど、僅かに揺れた表情筋に、微かに視線を揺らした。]
……本当に、色気の足りないことだ。
(108) 2014/09/20(Sat) 23時頃
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[爪に鑢まで掛けられ生きる貴人の痴態。 自慰を促すのは雄の性器ではなく、本来不要な肉粒へ。 芯を育て、彼の新たな性器と変える。 火照りを集めた肌と、卑猥な光景。 彼の身体を探る水音は反響し、鼓膜に愉悦を拡散。>>106]
分かるかい、お前さん胸を弄られて女子のようよ。 これだけ、はしたない花も中々いねぇなぁ。
[淫乱を言葉で責め、熱源が脈を打って彼の胸に鼓動を伝播。 血液と熱の集まった男根は、血管を棹に浮き立たせ、色立つ彼の香を聞く。花が開くに似た夢幻の香を。]
………っ、
[小さく奥歯を噛み締めれば、熱塊がぶるりと大きく震え、乱れる彼に一等の熱を与えた。ぴしゃりと肌を打ち、弾ける飛沫が迸って彼の掌ごと精子で穢す。白濁の体液が胸を弄る所作に紛れ、淫液よりも重く滴り落ちていく。
男の精を塗りこめ、乱れていく彼は最早蝶ではない。 ―――もっと、別の。
名前に恥じぬ美しい人だった。>>107]
(109) 2014/09/20(Sat) 23時半頃
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そう、だな。こんなにも、大切で大事だったんだな… この失くし物は。そうか…俺は
[辛い、のか。]
[暖かな優しい櫻は月へと身を寄せ、月は櫻の暖かさを分けてもらう。>>61 意地が悪いと笑えばいいのか、そうしてくれと頷けばいいのか。 どう反応を返せば良いのか判らぬまま、朧の手は宙を彷徨う。 どのくらいの時が過ぎたか、僅か数秒にも満たなかったかもしれないし四刻半程流れていたかもしれない。
ほんの少し、何かが満たされた気はした。 けれど月は欠けたまま、厚い雲は弱い光なんて通すはずも無く。]
―――、
[小さく小さく名をなぞり、弱々しく縋りついた。]
(110) 2014/09/20(Sat) 23時半頃
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……叱らないさ。答えは否だから。 何かあったわけじゃない、良くある話だ。 花籠から花が一輪消えるなんて、何度もあったろ?櫻子。
[日が昇ってから嫌な胸騒ぎは収まる気配は無く、むしろ増すばかり。 一目藤の花を見ようと訪れた時には、部屋は『何も無くなって』いたのだ。 『どうして』そうなったかまでは察せない、解らないが。 花がどうなったかなんて、想像するのは簡単だった。]
(*25) 2014/09/20(Sat) 23時半頃
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……丁助、控えな。 頃合だ、良き按配に致したかね?
[金華を開く指先を言葉で払うも、退席は許さず目視の続行を命じる。徒花の手により開いた細い内壁は、奪わせる境界と傷つけぬ最低限に留められているだろう。売花の儀礼めいて。 彼も決して初心な花ではない。媚が足りぬと苦言ばかりを呈しているが、彼の売れ行きを知らぬ訳でもない。―――ただ少し、花として在り過ぎるだけ。
丁助の愛撫が退いた後、己の両手をニコラスの尻に伸ばした。小作りな臀部を左右に開きつつ、膝の上へと召喚。 抱擁する振りで、ニコラスの頬に接吻を一つ与えて飴代わり。
割った尻は慎ましい窄まりを花の視界に晒し、逞しい剛直がネチ、と触れる。熱い猛りは優しさでも、柔らかさでも、甘さでもない。 彼の身に、盛ると言う、それだけの欲望。恣に振舞う男が息を一つ漏らした。]
力を抜いていろよ、丁助に見せてやらねぇとな。 今日も、昨日も、別の男に抱かれていると。
―――所詮、花は枯れて散るまで、蝶の餌。
[垂らしこむ毒と共に、ニコラスの細腰を引き摺り下ろす。 猛々しい熱杭が、狭隘な肉筒を衝撃伴い、貫いた。*]
(111) 2014/09/20(Sat) 23時半頃
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[響く甘い声を遮らぬよう、けれど滑る感触を金色の蝶の内側へと塗り込めるべく、指は水音をかき混ぜることを止めず。>>107
一匹の蝶にのみ向ける貌に、何も言うことなく益々笑みを深くする。
重ねる言葉は、花の根をじくりと抉っても。>>108 欲に綻ぶ美しい金色の花に比べ、唯咲けといわれて咲く花に、色気が無いと感じるのも当然だろうと。
ふるり、唇が震えたのは刹那。]
(112) 2014/09/21(Sun) 00時頃
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[己の粒に液を塗り込め摘んだりなどしてみる。 後ろの孔を弄られ続けている快楽が伝播し、その胸の突起を慰めることにすら感じているように錯覚する。 それとも錯覚ではなく本当に感じてしまっているのか。だとしたらそんなのは……
頭の中を見透かされたかのように毒蛾に詰られ、言葉によって辱められる。 実際には花ですらないのにこんな痴態を晒しているのだ。言葉による陵辱に脳内がじんと痺れる。
きっと、本当に一番淫らなのは胸で感じてしまっていることよりも、詰られて悦びを露わにする自分の顔だったろう。]
んあっ、
[白い飛沫が胸に降り注いだ。 雄の臭いに包まれながら白く汚れた自分の身体を見下ろし、自分の頭の中のどこか冷静な部分が「本当にこれは自分か」と問うた。
これは本当にニコラス・ベルか。 男のものを咥えて、精に塗れて悦ぶこの人間は。]
(113) 2014/09/21(Sun) 00時頃
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畏まりました。 ……ベルサン、失礼致します。
[離れる際に、名を呼んで。 金色の花の、十分に解れた孔から指を抜くと、指示されるまま牢の隅へと控える。>>111
見せる、の意味は、見ていろ。 優しく細めた瞳と緩く弧を描く唇を、面のように貼り付けて。 眉には微かに困惑を混ぜて、蝶である花を見詰めよう。]
(114) 2014/09/21(Sun) 00時頃
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[花から滴る雫>>98を、何と譬喩出来るだろうか。 霧雨に濡れたものでは無く、ただ花の情、芯から湧き出る水を。
夢物語と詠われた籠の中の愛憎は、だった一夜の短篇。 月を手にした其の晩も 月を奪われたあの晩も 櫻の憂いを聴いたかの晩も。 花も蝶も夜を捲る毎にまた頁を綴る。
――そしてその終焉は、いつの日か。]
(115) 2014/09/21(Sun) 00時半頃
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[大切なものに抱くには膨らみすぎた執着にも似た想い。 その正体が解った所で、もうどうにも出来はしない。
花は、手の届かぬ所まで零れ落ちていってしまったのだから。
昔、幾つもの花が毒にじわりじわりと侵されていくいくのを見た事がある。 それでも、紅も群青も薄い山吹も口を揃えて蝶の名を呼んでいた。 それが『どういう物』なのか知識としては知っていても、解かってはいなかった。 寧ろその花弁の末路を冷ややかに見つめていたというのに。 今ならほんの欠片くらいは、何故そんなに蝶を慕っていたのかが分かる気がした。
知らなければ良かったとさえ思う。 あぁ、なんと女々しく弱々しいのだろう。]
(-67) 2014/09/21(Sun) 00時半頃
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――……
[まるでかぐや姫だと、遠い国の御伽噺を思い浮かべる。 月から逃げた彼は、然し何れは優美な迎えによって月へと戻り。 されとて今、雨に濡れる「花籠物語」は、御伽噺などでは無いのなら、逃げた其の先に視えるものなど、大方察しは付き。 しかし夢に微睡む脳は、其の先を綴る。
――墜ちた月を抱え、星達に後指を指され影を追われながら遠い地へと翅を羽ばたかせるか。 其れとも大切に愛でるが為に籠へと捕まえ、彼方此方の蝶にさえ蜜を分けるか。 真っ当に月を購うことなど――かの宵闇が許すとは思えずに。
切望が一瞥される「逃走劇」を待ち望む言の葉>>98は、静かに芯を染め上げる。 ただひとつ。霧雨の濃い霧の中にて瞬きをひとつ。 薄く開いた瞳は、色の様に深い意思を。 蝶へ傾く濡れ花弁は、胸元を濡らす。 じわり、じわり。染み込む雫は、こころの色さえ染み込ませる。 蝶の胸から咲く色は、鼓動を刻み花の鼓膜を優しく叩いているだろうか]
(116) 2014/09/21(Sun) 00時半頃
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……、嗚呼、
どうしてキミはまだ、そんなに美しいの。
[震える音色はただ、彼を望む。明けぬ夜は在るけれど、醒めない夢物語を綴ることは、「人」ならば――そう、出来ると。]
籠を抜けたら人に成る。 俺もキミも、人に変わる。
…そうして一から、始めよう。
[幸いこの霧雨は、止む気配さえ無く。玄関先に揺蕩う宵闇は、今や花買いの声を待ち奥の部屋にでも居るのだろうか。 まるで降るは恵みの雨、されとて下すは苦渋の決断。
寄り添う花弁を、蝶はそっと翅に包め、ゆうるり、三日月を湛え。 震える翅を、胴体を。其の先を、ただ紡ごうと唇を開き、]
(117) 2014/09/21(Sun) 00時半頃
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――だけど。
今まで俺達を包んでいた夜は、やがては影を追い掛けて来る。
無い翅を捥ぎ、茎を折りに足音を忍ばせ来ることだろう。
……―それでも、良いのかい。
[霧雨は降り続く。 ただ添う花と蝶を隠す様に。 その身を濡らし、景色と同化させ、鼠色の空に馴染むように。 空に輝く月は既に無く、在るは翅に抱かれる一輪の花。 墜ちた月の其の先を、ひとつの花にしか止まれなくなった蝶の行く末を、誰が知るのだろうか。否、きっと誰もが知って居る。]
――其れでも良いなら、俺の手を取って。 握り返して。
キミが花のまま散りたくないと、云うのなら。
[ 知ってて尚、誰も彼もが紡がない。]
(118) 2014/09/21(Sun) 00時半頃
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[良き按配…その言葉が意味し期待させるものは明白であった。 指が退いた孔が微かに収縮する。既にそこは快楽を覚えて足りないものを求めているというのか。認めたくはなかった。]
んあっ、
[臀部を左右に開いて膝の上に導く手の温かみにすら小さく声が漏れる。頬へ落とされる接吻に眦が熱っぽく潤んだ。 窄まりに口に含んでいたそれが宛がわれるのを感じ、緊張を逃がすために吐息を吐いた。
視座の変わらぬ場所にある歪んだ唇が毒を紡ぐ。 今日も、昨日も、別の男に。 それはまさしく事実であり、淫蕩に溺れた自身の現実を示していた。]
あぁーーッ!!
[涙が頬を伝うがそんな感触は知覚できず。 自分が啼き声を高く上げていることにも気づかず。 逸らした身体は貫かれる衝撃に支配されていた。 一人の男に掌握される悦びに。]
(119) 2014/09/21(Sun) 00時半頃
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/* とれかめ、しあわせにおなり、な気持ち。
へくたんしゅごいなーってのとべるさんかわいいでおおおしてるの。 ひぇぇ
(-68) 2014/09/21(Sun) 00時半頃
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[櫻に雫が一つぽつりと落ちる。たった一滴だけ月を伝って。 何かを伝えた声は僅かに揺らめき、掠れ。 凛とした空気を纏う月花はそこには無い。
手折られたわけでも無く、変わらず花籠に収まっているのにも関わらず。 月光を浴びれぬせいなのか、俯いたまま。
執着しすぎたのだ、望み過ぎたのだ。]
――…… 、
[しあわせを、ゆめを、抱きすぎたのだ。]
(120) 2014/09/21(Sun) 01時頃
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[年期がいつか明けたなら。俺自身も、彼の年期も明けたなら。 本当の名前をそっと教えるつもりだった。 柔らかな音で奏でられる名の音を聞きたかった。
雪山にかかる月も、『本物の朧月』も共に眺めたかった。
身に余る望みは砕け散り、砂のように落ちていく。]
(*26) 2014/09/21(Sun) 01時頃
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[噤んだ唇は、封の代わりか。それとも失語か。>>112 隠蔽する心の在り処も知らず、花籠の底で朽ちても茶飯事。 ほんの少しだけ、淡焔の髪色がくすむのは惜しいと噛んだ。
現に彼はここ数日で、ゆらと能面に波を立たせるようになった。 そんなもの、唯の気のせいと一蹴してしまえる程度の変化だが、まるで彼の笑顔が、彼自身を庇っているようにも見えた。]
―――…来な、丁助。 お前さんは可愛げねぇな、悪辣よな。
何もかも、諦めたってぇなら、そんな顔して護るなよ。
[また、彼に言の刃を放ち、細い呼気を漏らした。>>114]
(121) 2014/09/21(Sun) 01時頃
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[悦は神経内を巡り駆け抜けて、彼を再構築する。>>113 理性と言う名の隔壁を破り、常識と言う名の偏見を捨てさせる。彼が得るべきは悦、花の快であり、人の性であった。
淫蕩を晒す彼は、何より喜悦に従順で、身体を支配する熱に熟む。弾む声は高く響き、彼を奏でて壊す男が嗤った。]
花籠には嘘ばかりが詰まっている。 暴くは蝶の性分よ、―――ッ、
[謳うよう奏でた誘惑。 されど、穿った途端、粘膜の収斂に絞られ、僅かに顎を引いた。待ち受けて歓迎する身体は絡みつくように甘く、熱い。
悲鳴は肉筒を拡張するよう陰茎を育て、みっしりと隙間なく埋め尽くす。根元まで咥えさせた身体は窄まりの皺をピンと張り詰めさせて、緊張を強いる。>>119
間を開けず、呼吸の暇さえ与えずに、喰い締めてくる肉輪を掻いて、再び突き刺す律動を開始。深々と貫くたびに、細い身体に収まる臓腑を突き上げた。 彼の腕を己の背に導き支えれば、身体を跳ね上げさせた。奔放な律動は放縦を与え、未熟な粘膜に雄を擦り付けて歪めていく。]
(122) 2014/09/21(Sun) 01時頃
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ーとある月夜の晩ー
[その日は久しぶりに客をとらずともよい晩だった 理由は簡単、駆け落ちした娼と客を探すのに廓総出での捕物となったからだった 障子をあけて久しく真夜中には見ていなかった月を見つめる どこか霞がかった朧月、それを見るたび涙がこぼれそうになる
泣く資格すら、ないのに
年期がいつかあけたなら、彼に売られた際に捨てた名を 自分の本当の名を告げたかった。その名で呼んで欲しかった 彼と共にいられたならば、しあわせだったのだ
そんなことは土台無理な願いであるとは、分かっていてもそれに縋りたかったのだ]
……―――
[かつての友の名を、呼ぶ 願わくば手と手とりあった彼らが無事逃げ切れれば良いと願いながら、月を見つめて嘆くのだ]
(+6) 2014/09/21(Sun) 01時頃
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看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2014/09/21(Sun) 01時頃
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[淡く吐き出す呼気は喉から溢れ、僅かに汗が浮く。 傍に呼んだ花へ片手を差し伸べつつ、数度虚空を掻いてから、紅華の手を取ろうか。]
見ていろよ、丁助。 ――― 眼を逸らすな、嘘吐きめ。
[眼前で殻を破り、新たに生まれ変わるニコラスを見せる。 今の金華には偽りなど欠片もなく、ただ、己の希求に甘んじ、身体を拓いていた。貪られるだけの哀れな存在、しかし、とても、うつくしい。
更に嬌声を聞かせるように、或いは単に蠢動に抗いきれず、麗人の奥まった場所を先端で抉った。白濁混じりの先走りが小さな泡を立てて内で次々弾けていく。
卑猥な水音は際限を知らず、彼の媚肉を酷使させ、視られる喜びを心身に覚えさせる。己の熱塊も、彼を陵辱したがる素直を露呈。 ニコラスの肩に回した腕で圧を掛け、跳ねる隙を狭めてストロークの短い一打を幾度も撃ち込んだ。
傍若無人なる男は一度全てを壊してゆく。 ひっきりなしに肌を穿つ生々しい音が牢を巡り、淫香が濃く煙る*]
(123) 2014/09/21(Sun) 01時頃
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/* トレイルさんと亀吉さんは駆け落ちがんばれ、 力強く応援しているよ…!
しかし、丁助さんの彼是を上手くキャッチ出来ている気がしなくて大変申し訳ない気持ち。 もうちょっと上手に動けるようになりたいなぁ。
(-69) 2014/09/21(Sun) 01時頃
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[過ぎた滋養を与えた花はやがて枯れる。濡れそぼった翅は空を裂く邪魔をする。
されども重なる鼓動の音から花は揺らぐことをせず。 蝶から紡がれる夢物語に耳を傾ける>>117]
…『花』は、美しくなければならないのです。
[世辞には浪漫のない捻くれた呟き。 けれども陶酔し切ったような瞳はただ甘い毒を望み、酔ったように身を寄せ、胡蝶の夢に目蓋を閉ざします。]
……人、に?
[『花』として花籠に束ねられてから、何度も夢見ては諦めた願い。 綴られた囁きは何処までも甘く、緩やかに花弁を濡らす。
ゆっくりと、花さえも知らない色に染まり変わる]
(124) 2014/09/21(Sun) 01時半頃
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[コクリと音を立てたのは喉仏が唾液を嚥下したために。 自分達が今何をしようとしているのか。その意味が分からない訳では無い。判らない筈が無い。
今日人づてに聞いた話によると以前身を置いていた主人がまた所望しに訪れたという。 楼主がどう答えたのかは知らぬ所ではあるが、どちらにせよ多額の金をかけられた身。
抜け出せば、逃げ出せば、唯では済むまい。
それは耳に聞いていた『ちょう』と同じ道やもしれぬというのに。]
………。
[花は、ただ目の前で差し伸べられた翅に焦がれるように花弁を揺らす。
梔子は何も囁かない。瞳を持たぬ花は唯々盲目に蝶へと花びらを濡らすだけ。
きっと花ならば、そう在るべきなのかもしれない。]
(125) 2014/09/21(Sun) 01時半頃
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…いずれ花も蝶も散るもの。 でも、人として…生きることを、…望んでもいいのなら。
──…貴方と、死にたい。
[重なる掌は霧雨に振られ、冷たく冷えている。 それは雨粒に打たれた故か、それともこの身に潜む陰によるものなのかは、分からない。
それでも、水気を含んだ重たい睫毛で真っ直ぐに紺瑠璃を見つめれば、花は言葉を口にする。
甘ったるい情人のような戯言を。 水面に揺れる花は月の隠れた空の下、指先をそっとその人に重ねて]
……連れて行って下さい。 花籠の外へ。
(126) 2014/09/21(Sun) 01時半頃
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