258 【突発誰歓】鬼渡し弐
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それにしても、あの鬼も不憫なもんだよね。
[他人事、といった風にぽつりと呟く。それは独り言であったか、それとも誰かが耳にしたか。]
幽霊って事は何か未練でもあっただろうにさ。それについちゃなーんにも解決していないんだよね。 鬼は交代でやっていたなら、最初の鬼は一体全体誰なんだい?
だって、誰も鬼になっていた時の事覚えちゃいないんだろう?
[口元が小さく緩んだ。]
(24) きたきつね 2016/11/23(Wed) 01時半頃
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まっ、さすがにもう1回鬼になるのはごめんだけどね。 あたし達にも人生があるんだ。
幽霊の事なんて、知ったこっちゃないんだよ。
[冗談めかして美夜子は笑う。]
(*17) きたきつね 2016/11/23(Wed) 01時半頃
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あたしは子供の頃から卑怯な事は十八番なのさ。
[あの時と同じ、底抜けするような笑顔で。]
(25) きたきつね 2016/11/23(Wed) 01時半頃
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ふふふ・・・・・・
(*18) きたきつね 2016/11/23(Wed) 01時半頃
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ふふふ・・・・・・
(26) きたきつね 2016/11/23(Wed) 01時半頃
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どうしてあたしに誰も興味を示さない? どうして誰もあたしに振り向いてくれない?
[あの時と同じ言葉を呟く。]
だから、好き勝手できちまうのさ。 終わればあたしの負け。あたしは、勝つまで負けないよ。
(*19) きたきつね 2016/11/23(Wed) 01時半頃
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曼珠沙華、来年はちゃんと季節通りに咲いてくれるかな。
[美夜子は遠い目をして空を見上げる。
桜を折ったって、夜に足を濡らしたって、土用に土仕事したって、三隣亡に家を建てたって何も起こらなかっただなんて、誰が証明できる?**]
(27) きたきつね 2016/11/23(Wed) 01時半頃
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/* 美夜子、鬼に憑かれた時も素の人格だった。
(-71) きたきつね 2016/11/23(Wed) 02時頃
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/* おはようございます。 起きたら伸びてた。しゅごい(*´ω`*) みんな、なかなか黒いなぁ。楽しそうなので、アキくんも黒いのやってみたくなった。 >>-69 夕顔クソワロタwww反撃するから覚悟せよwww
(-72) vitamin-girl 2016/11/23(Wed) 08時頃
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─回想─
[わたしは、篁家の四男として生まれた。 年の離れた三人の兄は、いずれも上京していて、父と一緒に暮らしている。
一番上の兄は大学卒業後、議員秘書として父の事務所に勤めている。 二番目の兄は弁護士を目指して法科大学院に通い、今年司法試験をパスしたそうだ。 三番目の兄は受験生だ。最難関大学を目指して猛勉強中のようだ。 彼らはいずれも優秀で身体も丈夫だ。 篁家の跡取りとして、将来を期待されている。
わたしだけ年が離れているのは、彼らが父の先妻の子らで、わたしが後妻の子だからだ。 わたしは篁家にとって、居ても居なくてもどちらでも良い子だったが、孫のような年齢のわたしを父は随分と可愛がってくれた。 生まれつき身体が弱く、どんなに延命しても十年と少ししか生きられないと宣告された事がなおさら、掛け値なしの愛情を父母から注がれる結果になったのだと思う]
(*20) vitamin-girl 2016/11/23(Wed) 12時半頃
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[身体さえ丈夫だったら、優秀な兄たちにも決して引けを取らない自負はあった。 兄たちが自分と同じ年の頃と比較しても、わたしの学力は群を抜いて高いという。 丈夫に生んでくれさえすれば。 幼いころは、母を何度も恨んだ。
しかし、母はわたし以上に傷ついていた。恨んだところで、母は己を責めてわたし以上に嘆く。それを何度か繰り返した後、わたしは恨むことをやめた]
(*21) vitamin-girl 2016/11/23(Wed) 12時半頃
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[父は週末になると、都合がつけばわたしに会いに帰省をしてきてくれた。 兄たちはいずれも多忙で、年末年始以外顔を合わせる事はなかった。 都会に住む年近い従兄弟たちは、夏休みになると避暑でこちらに滞在した。わたしは外で遊ぶことはできなかったが、家の中が子どもたちの声で賑わうと、わたしの気持ちも晴れた。 そのような夏を何度か過ごし、秋を迎え…───今年はじめて、季節外れの曼殊沙華を目にすることになる。*]
(*22) vitamin-girl 2016/11/23(Wed) 12時半頃
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/* 皆さんが赤窓に生い立ちめいた事を落としてたので真似してみたよ!
(-73) vitamin-girl 2016/11/23(Wed) 12時半頃
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[ 覗き込んだ鏡が割れるように、 或いは、開け放された扉が閉まるように。 ]
[ >>5:36ぴしって罅が入った音を聞いた気がした。 何かが粉々に砕け散ったような感じが、した。 ]
[ 気が付けば止まった太陽は落ちて、…深夜。 吐いた呼気は薄らと白がかって直ぐに冷たくなる。 ]
……戻ってきちまったのかい
[ つかまえた ] [ 自分であって自分でないような声と 並ぶ双肩を叩いた生々しい感覚だけ手に残っていた。 ]
あの子ら、…どうしたろうね
[ ぽつ、と、つぶやく。 ] [ ―――― 返事は、ない。 ]
(28) rinaria 2016/11/23(Wed) 13時頃
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[ 曼珠神社の中に季節はずれの赤い色は見当たらない。 今日はいつもよりも大分、冷え込んでいるみたい。 "向こう"では感じなかった年齢の重みが寄りかかってくる。 ]
晩ご飯の支度も言いつけてなかったし、 …それから布団の用意だってしてないさね。
それと――それと、ネリエルさんからは『泊まる』って 直接聞いていなかったんだ。そうそう。
やることは山積みだもの。……帰らなきゃあねえ。
[ 久々に泣いていた気がするけれど、 頬には涙のあとは無いし、泣いた気もしない。 …それでもなんだか、すっきりとした気分だった。 ]
(29) rinaria 2016/11/23(Wed) 13時頃
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─その後─
[鬼渡しから生還した後、そこで巡り合った童女・夕顔を篁家で引き取る事になった。 決断を下したのは、その場に居合わせた父だった。 その日、わたしが失踪した知らせを聞いて、急いで帰省したらしい。 のちにわたしが発見され、緊急入院をすることになって、周囲はかなりごたついたが、容体が安定した頃から、身よりがいない子どもがその場に居る事に、周りが気づき始めたらしい。
夕顔の処遇をどうするか大人たちで話し合っている最中に、父が引き取ると言い出したのだ。 地元の名士として、身よりのない子どもを放り出すわけにはいかず、体面上で申し出たに過ぎない。その場の全員がそう考えたが、暗黙の了解を経て、満場一致で決定した。
わたしも、そうした大人たちの思惑は薄々と分かっていたものの、家から出られないわたしにとって、年の近い子どもが近くに居てくれることは嬉しい。 妹ができたようだと、わたしは両親の前で素直に喜んでみせた。]
(30) vitamin-girl 2016/11/23(Wed) 13時頃
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[ 曼珠神社は村はずれ。 あたしの勤め先までは大分、遠い。 ]
ああよりにもよって裸足で戻さなくたってサ。 まるで夫から夜逃げしてきた妻みたいじゃないか。
[ 嘆きながら歩く帰り道。 冷たい土を裸足が踏んで、大して時間も経たず 慌てたみたいに誰か駆けてくる足音がするんだ。>>8 振り向いたら背負われている顔も、背負う顔も…知ってる。 ]
……眠くて寝ちまったって感じじゃないねえ。 おいで。うちの車なら村の病院まで飛ばしていける。
…でも、田舎だからね。あんまり期待はしない方がいいさね。 あたしは篁の家に電話をしておくから車は好きに使っとくれ。
[ 察した事態を元に言葉を並べたら車のキーを放る。 手早く動けたのは職業柄というか…なんというか。 ]
(31) rinaria 2016/11/23(Wed) 13時頃
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[ その脇で電柱に登ろうとしていた時代錯誤の子どもがいたとか 自分の娘を痛いほど心配する母親がいるだとか。>>7 それら全ては神様じゃないもの、知ることは出来なかった。 ]
[ 『アキくん』が救急搬送されるに至って、 うちの宿泊客がもう一人>>19手を貸してくれたから、 彼には気前よく三つくらい飴ちゃんを渡しておいたさ。 それと、連絡先を。 …緊急搬送された先の病院について聞きたくて。って。 ]
[ 言った。…建前は。 ]
(32) rinaria 2016/11/23(Wed) 13時頃
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[ 本当は――ねえ。あいつのことが聞けるって …… 未練がましく喜んでいるんでしょう? ]
[ 知っているのよ、あたし。 自分のことだもの。 ]
[ 逃げないで、逃げないで、逃げないで ]
[ 繰り返す言葉は自覚しなくったって 心の中では、まだ叫び続けているのに! ]
(*23) rinaria 2016/11/23(Wed) 13時頃
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[ あいつが後輩にあたしの話を詳しく言わないのも当たり前。 だって、捨ててきた女がいる故郷の話なんてしたかないだろ?
あいつにとってのあたしは過去で、 あたしにとっての彼(あいつ)は未来だった。
最初からすれ違っていたから、交わることなんて無かった。 ]
(33) rinaria 2016/11/23(Wed) 13時頃
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[ 馬鹿なあたし 何時になったら そのことと正面切って向き合える? ]
[ …そんなの神様だってわからないさ。 ]
(*24) rinaria 2016/11/23(Wed) 13時頃
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[ 自嘲めいた囁き声は風のように過ぎて、 声にすらならず、ふわりと浮かんでは消える。
亜沙華の広間に置いてある机を拭いている間も。 玄関の掃き掃除をしている時も。…ずうっと。 捨てたいものを捨てられない惨めなあたしがそこに居る。 ]
…………今日の晩御飯は何にしようかねえ。
[ それでもあたしは殊更大きな声で喋って ( …自分を奮い立たせるみたいに ) お客を迎えて、寝て、起きて、働いて生きていく。 ]
(34) rinaria 2016/11/23(Wed) 13時頃
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[夕顔と同居を始めて、季節がいくつか過ぎた後だっただろうか。 夕顔がわたしに、あるものを差し入れてくれた]
……これは?
[滋養があるものだからと、夕顔が自ら調べて、手に入れて、こしらえたのだという。 わたしによくなってほしいのだと、願いを込めたのだと聞けば、わたしの顔は自然とほころぶ]
ありがとう。
[穏やかに礼を述べる。器の中身を一目見た時から、それが何であるかを悟っていたけれども]
(35) vitamin-girl 2016/11/23(Wed) 13時頃
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こんにちは、ようこそいらっしゃいましたねえ さあさあそんなとこにぽやっとつったってないで中に!
[ 今日もまたやって来た夫婦を笑顔で迎え入れた。 悔やんでも、泣いても、悲しんでも――それでも、 ]
[ *これがあたしの"いつもどおり"だから* ]
(36) rinaria 2016/11/23(Wed) 13時頃
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でもね、夕顔。 きみも知っている通り、わたしの食事はすべて家の者が管理をしている。 勝手に他のものを食べてはいけない、決まりになっているんだよ。 だからね、
[と、器を夕顔の前に突き返し]
代わりにきみが食べなさい。 食べた後でどんな味か、わたしに教えてくれるだけで嬉しいからね。
[さぁ、わたしが見ている前で食べてごらん。わたしは笑顔で成り行きを見守った。]
(37) vitamin-girl 2016/11/23(Wed) 13時頃
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[あの時、面が割れて一瞬だけ触れた。 光の粒子となったそれは、わたしを鬼に変える事はできなかったけれど、面を継いだ者たちの記憶や思念が流れ込んできた。
その中の記憶の一つに、夕顔が居た。 もう一つ、そっくりな顔をした姉。こちらは双子の朝顔というらしい。 夕顔が掘り起こす、曼殊沙華の根。 それをどうやって使ったか、一部始終がそこで語られていた。
篁が代々、この地で名士を輩出してきたかわかるかい? 子どもの浅知恵なんかで太刀打ちできる相手じゃあない。 消されたくなければ、…───あまり欲を張らない事だ]
わたしが居なくなっても、いい子にしてるんだよ。
[夕顔の柔らかな髪の上に手を置き、そっと頭を撫でた。*]
(*25) vitamin-girl 2016/11/23(Wed) 13時頃
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/* あら、誰もいないと思ってたら、おもんさんと入れ子になっちゃった ごめんよー
(-74) vitamin-girl 2016/11/23(Wed) 13時頃
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/* 盛大に寝落ちをかましていたあたくしがこちらになります…(震えた
あっ…明之進は思い切り挟まってごめんよ。
(-75) rinaria 2016/11/23(Wed) 13時頃
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/* 諸々巻き込みながら、 未練がましいおもんさんは一旦これ>>36で〆で プライベートはプライベートとして、表ではちゃんと気のいい接客をするぜ!と。
>>-74 此方こそバッティングしてしまって済まないんだよ… 篁のお家は多分村の大人たちの中ではひそひそされてる系のいいお家な気が…しないでもない
(-76) rinaria 2016/11/23(Wed) 13時頃
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/* 唐突に御門の家と篁の家間の縁故さくっと投げればよかったと後悔した午後一時。 血筋に拘る感じの描写したしやろうと思えば出来たかも。 なんて言いつつゆるりと。**
(-77) rinaria 2016/11/23(Wed) 13時頃
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