151 雪に沈む村
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[その少しあと、またドアの向こうから、今度は鈴を鳴らすような声がした。]
開いとるよ――。
[軽く声をかければ、ふわりとした羊毛が覗き、近寄るクシャミには雪玉が。]
(67) 2013/11/23(Sat) 17時頃
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こら――!!
[子供の悪戯に大き目の声がでた。 ただの雪玉、当たったところでぬれるだけだから大したことはない。
だがここは工房だ。もしそれでよろけて転んだら、色んな道具にぶつかって怪我をするかもしれない。 怒っているわけではないが、やってはいけないことに対しては毅然と叱る。 もし反省したようなら、そのまま何も言わずに中に入ることは止めはしない。
最初は多少シュンとしていたかもしれないが自慢げに脱走劇について語る彼女を見れば、先ほどの悲痛な表情の爺やさんを思い出して、やれやれと苦笑いするのだった。]
(68) 2013/11/23(Sat) 17時頃
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― ピエールの店 ―
ピエール!腹減ったー!
[バタン、とドアを勢い良く開けてカルヴィンは店に上がり込む。 肩や頭に乗った雪を、ぷるぷると子犬のように首を振って払った]
うおー。寒い寒い。
[びゅおう、と刺すような冷たい風が店内に入り込むと慌ててその扉を閉める]
なにか温かいものを頼むよ。 今日はちゃんとお金持ってきてるからな。
[ぴょんぴょんジャンプすると、ポケットの中の錆びた小銭が鈍い音を立てた]
(69) 2013/11/23(Sat) 18時頃
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……ひゃっ!!
[>>68 怒声が工房に響いて思わず首を竦める。羊毛がごわごわと逆立つ。ドワーフならではの深みのある声に子羊は震え上がる。]
………ごめんなさい…。
[小さくお辞儀をして上目遣いにウォーレンを見上げた。]
もしかして、爺、ここに来ました??
[>>53 先程見た牛蹄を思い出しながら、ふるると尋ねる。]
(70) 2013/11/23(Sat) 18時頃
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―朝・教会― [>>58クシャミが迎え入れてくれたのでそれに従って教会の奥へと歩を進める。 暖房の効いた室内が、まるで天国のようだ。]
サンキュー。こんだけあれば十分だよ。 …大丈夫だって!
[クシャミが持たせてくれた服は予想以上の量だ。 こけたりしないかと心配する彼には見栄を張ったが、何もなくとも何度も転びそうになった道、果たして無事戻れるだろうか。] >>59 うん、そうしようかなって。 一日でこんなに積もってんだ。 もたもたしてたら出られなくなりそうだからさ。
[すぐ発つのかとの問いにそう答え、]
にいちゃんはどうするの? 獣人だから、やっぱ冬眠?
[龍族や獣人は冬眠するという、昨日仕入れたばかりの知識をもとに、クシャミに訊ねた。]
(71) 2013/11/23(Sat) 18時頃
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[ここに入り浸っている時には聞かなかったような、ウォーレンの大きな声。>>66 尻尾をしゅんと項垂らせ、慌てて謝罪を述べたのだった。>>62
大脱走劇で、自慢気な様子のアリスにくすくすと笑いがこぼれおちた。>>65 猫の獣人である青年は、屋敷の傍に生える木に登ったり、ジャンプしていつもあの壁を乗り越えているけれど、彼女には一苦労だっただろう。 その様子を少し想像して。 用事があると言えば、彼女の蒼い瞳は静かに揺れた。]
雪合戦! うん、それもしたかった! しよっか?
[挑戦的に見上げてくる蒼。 青年はアリスと鏡合わせのように、ニヤリと口端をあげた。]
(72) 2013/11/23(Sat) 18時半頃
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―回想・食堂― >>48 …そっか。 冬が終われば、また会えるんだね。 よかった。
[一瞬、眠りについたカルヴィンがそのまま死んでしまうのではないかとどきりとしたが、老人の返答に安堵する。 そのうちに、チャールズがやってきたのでそのまま会話を中断させた。 チャールズとトニーのやり取りに、ピエールも入ってきた>>20ので、]
うん。長い間過ごせるだけの蓄えはないし、村の外も見てみたいし。
…永眠なんてよく言うよ! 殺しても死ななそうなくせに。
[ケラケラと笑いながら、そう言ってやる。 冗談に冗談で返したのもあるが、いつも大きな声で店を切り盛りしているピエールと「永眠」という言葉は、どう考えても結びつかなかった。]
(73) 2013/11/23(Sat) 18時半頃
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[やがて、チャールズやバーナバスが出ていった>>49ので、見送るように外に目をやれば、日が暮れかかっていた。 少し長居し過ぎたかもしれない。]
んじゃ、オレもそろそろ帰るね。 ごちそうさま!**
(74) 2013/11/23(Sat) 18時半頃
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靴磨き トニーは、メモを貼った。
2013/11/23(Sat) 18時半頃
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―― 翌朝 教会 ――
俺もでかけるとこだったし、一緒に行くー。
[大丈夫だ、と言う前の少しの間。>>71 袋にいれていた荷物を、貸して、といって、二つにわけた。一つをトニーに渡して、一つを自分で持つ。]
よし、これで半分こ。 そうだにゃー、こんだけ積もってたら、 あっという間に出られなくなりそう。
[窓の外を見ながら、頷いた。朝方は雲の切れ間も見えていたけれど、今はまた空は雲に覆われ、雪がしんしんと振りつづている。]
うん、俺は冬眠することにした。
[昨日までは、そう答える声に不安や躊躇いのようなものが入り混じっていたけれど。今はそんな様子は全くない。]
(75) 2013/11/23(Sat) 19時頃
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動けなくなる前に、準備するつもり。
[日照時間が短くなってくるのと対象的に、日に日に睡眠時間が長くなってきている。 寝床を変えるのも、急がなくてはならないだろう。 チャールズがいたなら、トニーに、昨日ピエールからもらっていた焼き菓子を数個、渡したかもしれない。 いなかったなら、青年がトニーに渡しただろう。**]
(76) 2013/11/23(Sat) 19時頃
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[まどろむ直前、ピーターから『カルヴィン』のことを聞く。>>*2 しかし、この寒さ迫る夕刻に外へ出るのは、龍族にとっては大変危険を伴う行為だ。 老人のように特別な準備でもなければ―――だが。]
ああ…すまないが、今日はもう遅い。 ピーター殿、カルヴィン少年には明日の朝に出直すように言ってもらえないだろうか。 お詫びに朝食にパンとスープを奢ってあげよう。とね
[だけどお爺ちゃん貴方のもってる硬貨は数百年単位で現代とずれているのです。 そんなお叱りを受けそうな誘いだったが、はたしてピーターには聞こえていだろうか。]
(*9) 2013/11/23(Sat) 20時頃
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場所は…そうだな、今日美味しいスープをいただいたお店がいい。 ピエールというコックさんがやっているお店だ。伝言を頼むよ。
[そうして、老人はゆるゆると意識の船を夢の海原へとこぎ出させる。]
(*10) 2013/11/23(Sat) 20時頃
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[チャールズの注文で動き回ったあとだっただろうか、老齢の客…バーナバスも重い腰を上げ小銭を置いた>>3:49。
もともと客の善意で成り立っているような店だ。値段もあってないようなもので足りなくても特に声を荒げない。 食事を作ることも提供することも好きだが、商売はそこまで上手ではない。
手綱を引くのは妻の仕事だが、その妻もいなければ緩んでしまうのも至極当然な流れだった。
一応確認とお見送りのためにコインの近くに寄ると、色は確かに合っているが見覚えのない肖像のものもあった。]
お客さん…あーバーナバスさん、またのお越しをお待ちしてますよ!ご老体に鞭打たずに気ぃ付けてくださいよ!
[古いコインというのは年寄りがよくもっているものだ、くらいにしか思わなかったピエールは特に気にせず売り上げの箱にしまってその老齢の客を見送った。]
(77) 2013/11/23(Sat) 21時半頃
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ふふっ……!言いましたわねっ。
[>>72 『それも』?と少しだけ首を捻ったけれど。雪合戦の誘いにクシャミが乗れば嬉しそうに答える。それっ!と工房から出る。目の前の雪玉を掴めば。]
………、くらえッ!!
[ふわふわの羊毛の腕を大きく振るって、投げる。当たれば楽しそうに手を叩くだろう。]
(78) 2013/11/23(Sat) 21時半頃
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[こどもや持ち帰り用にマドレーヌとフィナンシェを焼いていると扉をかなり勢い良く開ける音が聞こえたので驚いて扉を見ると、またしても小さいお客の姿が>>3:69。
この声とこの扉の開け方をする奴は一人しか知らない。思いっきりしかめっ面をした後ケラケラと笑って出迎える。]
おい!扉は優しく扱えって何度も言ってるだろうが!!壊れてすきま風吹き込んでも知らねえぞ!おう、よく来たな。暖炉の前であったまっとけよ。なんなら毛布もかぶっとけ。 …スープはお任せでよかったな?好きなのあればそれにするが。 つーか金はガキからは取るつもりねえ、が、まあカルヴィンならいいか。
[オーブンにパンを入れ、スープを暖め始める。]
(79) 2013/11/23(Sat) 21時半頃
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─午前・時計塔─
さて、と。取り敢えず掃除からだな。
[村に一つだけの山道への入口。そこにある古びた時計塔の玄関で、キャソックの腕を捲ったチャールズは、腰に手を当て、ふむ、とひとつ息を吐いた。
石造りの四角い塔は先端に緑の屋根がついた尖塔となっており、壁面には装飾の施された天文時計が設置されている。 山間の小さな村にはおよそ不似合いな豪奢な様式は、百年も二百年も前のものと言われていたが。実際、チャールズには馴染みでもあり、懐かしくもあるものであった。
それは、村中にある教会と同じ様式、同じ時代のもの。この時計塔も、祈りの家のひとつだったのだろう、真冬になれば雪に埋まってしまう一階部分にはこじんまりとした礼拝堂が設けられている。 しかし、矢張りそこに祈りの対象である神を現す偶像は存在せず。 過去、その信仰に「何か」があったのは明白であった]
(+0) 2013/11/23(Sat) 21時半頃
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……ここを綺麗にして、先ずはサイラス君の旅の無事を祈る事にしよう。
[今朝早く、未だちらちらと雪の舞う空へと旅立っていった金の髪の翼人。 クシャミと共にその背を見送って、数刻経つ。 帰ってくる、旅の無事を祈ってくれ。そう言った彼が、思う通りの旅を続けられるように。 ここに宿る神はもう居ないけれど、もしかしたら彼ら翼人を加護する神聖な存在に届くかもしれない。 よし、と小さく呟いて、珍しく気合を入れた表情で、チャールズは掃除に取り掛かったのだった。]
(+1) 2013/11/23(Sat) 21時半頃
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がっはっは!バレたか簡単には死ねねえわ!村のガキどもにもっともっと食わせてやりてからなぁ。まあ冬が明けたらまた来いよ。
トニーいってこい!よし餞別だ、持ってけ。
[いつ行くか分からないがトニー>>3:73>>3:74を見送る。パンとジンジャークッキー、干した果物の入った日持ちのする焼き菓子を紙袋に入れて渡した。村を出るのに少しの足しになればいい。]
(80) 2013/11/23(Sat) 21時半頃
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朝食にパン、スープ……。
[オセローの誘い>>*9に、ゴクリと喉を鳴らす。 もしも“カルヴィン”だったら、「ありがとな、じーさん!」とはしゃいでいるところであろうが。 ピーターはオホン、と威厳を保つように咳払いをして]
う、うむ。相分かった。 そのようにカルヴィンという少年には伝えよう。
[すでに頭の中は、温かいパンとスープでいっぱいだった]
(*11) 2013/11/23(Sat) 22時頃
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[>>69ジャリジャリと音を鳴らす小銭に、ピエールは怪訝な顔をしたかもしれない。 カルヴィンは付け足すように]
大丈夫だよ。お金足りるって。 それに今日はパトロンがいるし。
[にひひ、と不敵に笑ってみせる]
あれ。バーナバスのじーさん、来てない? 今日は朝食を奢ってもらう予定なんだけどなー。
[言いつつ、カウンター席に座った]
(81) 2013/11/23(Sat) 22時頃
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『金はガキからは取るつもりねえ』>>79
[ピエールの言葉にカルヴィンは、きししと笑って]
ガキかあ……うん。確かにガキだ。 そうだなあ。カボチャのスープ、あるかな。 甘くて好きなんだ。
[ガキ、という語感を噛みしめるように繰り返す。 子供扱いされることが嬉しくてたまらない。]
うーん。良い香り。
[厨房から漂ってくる香りが鼻腔をくすぐる。 子供らしく目をキラキラ輝かせて、まだかまだかとスプーンを手に握った]
(82) 2013/11/23(Sat) 22時半頃
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え、ああ、うん。ってちょっとお金!? これ多い!
[急にパタパタと出て行くアリスの様子に、母娘が顔を見合わせます。カップソーサーに挟まれた金貨に気が付いてあわてて外に出てみるも、すでにどこかにかけて行ってしまったようでした。]
……どーしたんだろう? ホームシック……ではないよね。
[冒険に戻るようなことを言っていました。話の流れからして……クシャミに会いに行ったのでしょうか。]
……あ、いけないジリヤさん待たせちゃう! おかあさん! 今日は夕飯いらないから!
[店の中に声をかけると、奥からはいはい、と返事が聞こえます。再び防寒セットを着こむと雪の中をあるいていきます**]
(83) 2013/11/23(Sat) 23時頃
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お、カボチャのスープな。あるぜ!お前に飲まれてぇ飲まれてぇって鍋から騒いでるのが聞こえるか?
…なーんてな。詩人ぶってみたものの俺がするとただのおちゃらけだったわ。似合わねえことするもんじゃねえ。
[喋りながらも鼻はパンの焼き具合をチェックしている。目はスープから離さない。鍋のあちこちでぷくぷくと気泡が立ち始める。
カボチャのスープを器によそい、上にとっておきのクルトンとパンプキンシードを細かく刻んだものをそっと載せた。
オマケを何にしようかなとあれやこれやと考えるのは楽しい。さっき作ったレモンピール入りのマドレーヌでもいいが、こんな寒い日だからやっぱりスープにしよう。ふとニンマリ笑いマグカップによそう。パンを取り出したらカルヴィンの待つ>>82机に早足で向かった。]
おまたせ。カボチャのポタージュとオマケにコーンポタージュでおこちゃまセット、だ!パンはおかわり自由な、足りなくなったら言ってくれ。
[ニヤリと笑いながら、静かに置いていく。子供扱いを喜ぶ彼だからあえてこども扱いにする。]
(84) 2013/11/23(Sat) 23時頃
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-4年前-
『>>1:54 奥様が亡くなられて1年近く。 お父様も爺も、そしてお嬢様も少しずつその傷は癒えてきた頃ではありましたけれども。お嬢様は時折空をぼんやり見上げては、雲を目で追いかけておられました。あの空の何処かにお母様が居る、という爺の言葉を信じて。
……お嬢様、そろそろ冷えますから。中に入られてはいかがでしょうか。 そんな爺の言葉には、ふるると首を横に振って。 奥様の好きだったサンザシの花の傍で何やら物思いにふけていらっしゃいました。あれほどお転婆だったお嬢様の後ろ姿も、なんだかやたらと小さく見えました。』
(85) 2013/11/23(Sat) 23時半頃
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――……誰?
『ふいに後ろからガサガサと茂みを掻き分ける大きな音。 不思議そうに、お嬢様の蒼い瞳は物音の主を探そうと振り向きました。
……そこには、枝葉塗れの少年達の姿が。 一人は金髪に上品そうな焦げ茶色の瞳をした小生意気そうな少年。 もう一人は褐色の髪に円らな煤竹色の瞳をした、少し落ち着いた少年。
村の子供達でしょうか。突如現れた小さな乱入者に、恐怖や混乱よりも先に好奇心が湧いてきました。』
貴方達。ここが何処だかお解り? かのブランフォート家の御庭ですわよ。 その汚い恰好でお入りになるなんて。不届き者ねっ!
『そんなお嬢様の言葉とは裏腹に、口元は楽しげに弧を描いていました。長らく見ていなかったお嬢様の笑顔でした。』
(86) 2013/11/23(Sat) 23時半頃
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[>>78頷いたアリスと、連れ立って外にでる。しゃがみこみ雪を集めていたら、アリスが先に投げつけてきた雪玉が見事に頭に命中した。]
わっ! もー、やったなぁ!?
[ぷるぷる頭をふると、手を叩いて喜んでいるアリスに目掛け、雪を投げた。少し力は加減して、緩くカーブを描いたそれは当たったろうか。]
(87) 2013/11/23(Sat) 23時半頃
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―回想・工房>>2:120 ウォーレン―
[珍しく賑わう工房に、爺さんも思う所があるようだ。 何やら遠い目をしている気もするが、わざわざ触れることでもないのだろうと思えば、敢えて気づかぬそぶりである。]
おう、頼むわ。
[紅茶は先ほどいただいたところではあるが、温かい飲み物はそれだけで歓迎すべきものである。 男はありがたく頂戴することにした。 言われたとおり、適当な場所へと腰を落ち着けると、辺りの面々をぐるりと見回した。 そこにはおそらく、ジリヤとソフィアはいたことだろう。 クシャミもいたかもしれない。]
あぁ、そうそう。 爺さん、頼みたいことがあったんだ。
[爺さんが紅茶を手に戻ってくれば、そう、口火を切ったことだろう。]
(88) 2013/11/23(Sat) 23時半頃
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[しかしもし、それ以前に爺さんかあるいはドリュアスの女性から話を振られれば、工房の種火についての話を先にしたことだろう。 とは言っても、男がするのは火種を提供するだけだ。
人差し指を唇の前に立て、その先にふっと軽く息を吹きかける。 そうすれば、指先に紅い炎がちらちらと揺れるのだった。
男の吐く炎は、男がその気になればいつまででも燃やし続けることができるが、それはそれで面倒である、早々にジリヤに押し付けて始末を任せたことだろう。 彼女ならきっと間違いなく処理をしてくれるのだろうから。]
(89) 2013/11/23(Sat) 23時半頃
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-翌朝・滝の裏の洞窟-
[人型へと姿を変え、洞窟を出る。 腹に巻いた腹巻きは、東方の国で古くに友好を交わした炎の魔力を持つ者の加護を貰っている。 髪の毛を編みこんでいるのだが、術者が死んだ今魔力を入れなければ稼働しない術式だった。 この腹巻きのお陰で冬の入り口、多少の寒さには耐えられるものの、老龍も本格的な冬入りには冬眠をするのだった。]
ふむ、ゆくかのぉ…
[小汚いジャケットを羽織り、村へと足を向ける。 もうずっと昔から何度も通った道を、今日もまた一歩進むのだった。]
(90) 2013/11/23(Sat) 23時半頃
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おこちゃま、セット……!!
[ぱああ、と顔を輝かせて目の前に出された料理を見る。 上目遣いに「食べていいの?いいの?」とピエールを見上げて、ニヤリと笑う彼の表情>>84を肯定と受け取ると]
いっただきまーす!
[礼儀正しく手を合わせたのは一瞬のこと。 お行儀の悪い食べ方で、あっという間にかぼちゃスープを飲みほしてしまう。 丁寧に裏ごしされたされたカボチャが、優しい舌触り。贅沢に生クリームをたっぷり使っているのだろう。ふわりとした甘さが、口の中に広がった]
おいしい……!!
[子供はお世辞なんか言わないのだ。 だから口から漏れたそれは、カルヴィンの心からの賛辞]
(91) 2013/11/23(Sat) 23時半頃
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