25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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記者 イアンは、何処かから聞こえる歌声に足を止めて
2010/07/31(Sat) 19時半頃
手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2010/07/31(Sat) 19時半頃
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―B棟近く窓際―
[花びらを追いかけていた視線は 再び上向いて庭へ向く。 響く歌声に緩く眼を細めた。]
――?
[再び川に浮かび流れる白い花びら。 否、違う、花びらではない。 覗き込めばそれは蝶の形をしていると知れる。] 一つ瞬き、戯れに扉を開いて庭へ降りる。 風が吹いた。 鈴が鳴る。]
(35) 2010/07/31(Sat) 19時半頃
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[ひとつ、音が鳴る それは夢か現か 落つるは雫、咲くは艶やかな花の色
ひとつ、音が鳴る それは白か赤か 落つるは雫、染まるは艶やかな花の色
ひとつ、実がなる 夢ではなく現、白ではなく赤 腐り堕ちた実からは手が生え、足が生え、頭が生えた
潰れた実に落つる雫、 咲く花の色は――― 咲く花の色は―――
咲くのは――――…]
(36) 2010/07/31(Sat) 19時半頃
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― ヨアヒム邸 稽古場 ― [耳に届いた微かな歌声は、 青年の得意とする部類ではない音で かと言って耳に入る音を無視し舞うのもな、と 白い着物を纏った手腕を紺袴の腰に当てて。
音は暫くすればさえずるような会話に変わる]
……少しづつ、到着してるのか?
[耳を澄ませば他にも鈴の音も届く。 人の気配、声、音、空気の流れ。 ここ一年間で眼で見えなくても 外を知る術は随分身についた] [けれど、知らぬ屋敷を必要以上歩き回る気もなく。]
(37) 2010/07/31(Sat) 20時頃
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―ヨアヒム邸・庭―
[ぼぅと、風に髪を遊ばせていれば、鳥の囀りのような唄とは違う音が聴こえた。]
鈴の音?誰やろか。
[青年は独り語ち、音がする方へ眼差しを向ける。 近付く影は、逆光になっていたか、眩しげに苔色を細めた。]
(38) 2010/07/31(Sat) 20時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2010/07/31(Sat) 20時頃
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―邸宅/庭―
[木陰に眠る人影、在り。]
――… …午睡とは
[歩んできて りん――と、 鈴の音が首を傾いだときにも、鳴った。]
随分、贅沢なことで。
[木陰で涼をとる影を 見下ろしながら、云った。]
(39) 2010/07/31(Sat) 20時頃
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― ヨアヒム邸入り口 ― [現から夢へ、夢からまた現へ、 狭間を浮かんでいた意識は名を呼ばれ元の場所へと戻る。 揺られていた篭は止まっていた。 覗けば見えるのは煌びやかな佇まい、]
……着いたのか。
[額に浮かぶ、むず痒い涼しさ―― 寝ている間に少し汗をかいていた 拭おうとした使いの手を断り、篭から降り立つと 揺られていた名残、浮遊感。 夢と現、体も意識も未だその狭間で揺られている。]
(40) 2010/07/31(Sat) 20時頃
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―ヨアヒム邸・奥座敷
[男はそこで、ヨアヒムの宝刀「月下織皇后(つきのもとおりひめ)」を検分している。 その仕事をしたのは、{3}年ほど前だった。]
(41) 2010/07/31(Sat) 20時頃
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―ヨアヒム邸・庭―
せやかて、することなかったから。
[涼やかな鈴の音と、重なる声。 見下ろす影の顔は、識っている者か、そうでないのか。
どちらにしても、青年の対応は変わりはしない。 見下ろす視線を見上げて、悪びれなく唇の端を持ち上げた。]
(42) 2010/07/31(Sat) 20時頃
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― ヨアヒム邸 稽古場 ― [長物持ってくりゃ良かった。] [何も持たぬ両の手を、一〜二度、開いて、閉じて。
ぐっと、何も持たぬまま握り締め ……在るつもりで振るう。]
[庭先に幾つも花が咲いているのだろう。 届くのは微かな花の匂い。]
(43) 2010/07/31(Sat) 20時頃
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[――……間違っても、血のにおい、ではない……――]
(-6) 2010/07/31(Sat) 20時頃
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[遠くから聴こえるは囀る歌声。 それに心地よさげに瞳を細め入り口で欠伸を零すと 付き合いの浅い従者は驚いた顔をしていた。
それに、笑う。]
……散歩をしてくる。
[荷を任せて狭間の世界へと、足を踏み入れる。 向かうのは歌のところか、それとも聴こえる声にか。 行き先を直ぐには決めず、全ては気の向くままに。]
(44) 2010/07/31(Sat) 20時頃
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[一度、青年は頭を緩く振ると、舞の動作へと移った。]
[舞うのは剣気褌脱。 本来は剣器を持って遊ぶ遊戯的舞 鉦鼓のみを用いて演奏する唐拍子の 特殊な奏法も存在する一曲、 鼓のかわりに鳴らすのは床、打つのは踏み込む足。
鮮やかで、艶やかな華々とは趣が異なり 今回の祭りでも、さして興を持たれぬであろう、が 主を得たいと思わぬ青年はそれで良いと思った。]
(45) 2010/07/31(Sat) 20時頃
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―屋敷・庭―
……相も変らぬことだよ。
[呆れたように表情を少し、変えて]
華月。
[慣れた風情で名前を舌先に乗せた。]
戯れに蝶を飛ばしたろう すぐに場所が知れた。
[見下ろしたまま、腕を組む。]
(46) 2010/07/31(Sat) 20時半頃
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/* 先生、ズリエルが気になります。 ので、後々長物強請れるように 剣気褌脱を舞っておくんだぜ!
それにしても、皆さん名前が華々しいです…あわわ… 現在雅楽やってるお家の名前貰ってくるだけじゃ甘かった…
(-7) 2010/07/31(Sat) 20時半頃
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>>41 [鞘から刀を抜き、それを見て、眉をあげた。 一点の曇りもない、といいたいが、 そういうわけにはいかないようだ。]
ふん、まだ、未熟だったか。
[吐き捨てるように、3年前の自分の腕に失望を表す。 そして、またそれを収めると、元の場所へ。 案内してくれた者を見遣る。
男としては何気なくみたつもりだが、その者は青白くなって、頭をぺこぺこ下げて退出していく…。 一人残され、男はまぁいいと吐いて立ち上がった。
赤黒い作務衣に裸足で部屋から庭をまたぼんやりと眺めた。**]
(47) 2010/07/31(Sat) 20時半頃
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/* 主ほしがらぬが此れで2名。 …自分は文句を云わず 後ろ盾になってくれるものを探す。
さて、結構主ほしくない人がいそうだな。
(-8) 2010/07/31(Sat) 20時半頃
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―ヨアヒム邸・庭―
なんだ鵠さんか。
[ようやっと陽光に眼がなれたことと、名を呼ばれたことで笑みを深めた。1つ上の彼の名を、親しみをこめた敬称をつけて呼び返す。]
蝶、鵠さんとこ、飛んでったん。 そりゃ、失敗したなぁ。こぅして、怒られてしもた。 怖い格好(腕組み)せんといてやぁ。
[よっと立ち上がれば、僅かばかり青年の背が勝つ。 先程とは反対に少し見下ろしながら、首を傾いだ。]
鵠さんも、呼ばれたんやね。
(48) 2010/07/31(Sat) 20時半頃
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― 回廊 ― [勝手のわからぬ場所を、知った風に歩く。 庭には幾つかの物音。 興味は微塵も無いとばかり、視線は真っ直ぐに]
無駄に広いのは好ましくないね。 [溜息一つ。 さて、棟をわたるはずが元来た道が解らない。 わき見も振らぬ少年の歩みがひたりと止まった]
(49) 2010/07/31(Sat) 20時半頃
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懐刀 朧は、メモを貼った。
2010/07/31(Sat) 20時半頃
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―屋敷・庭―
……、盲でもあるまいに 確り両の眼開いておくといい。
[腕は組んだまま、 華月が立ち上がると見上げる形。]
怖いなど微塵も思って居ないだろう、 ――芸は魅せる為に在ろうに、…
[言いかけて、やめた。 代わりに、返したのは返事。]
お前も な。 ――豚の招きとはいえ、花主を探すには絶好の場…だからな。
[ちらと本邸のほうへ紫苑色の視線を流した。]
(50) 2010/07/31(Sat) 21時頃
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[消えぬ歌声を辿りながら進むは真逆の方向へ。 それもまた気まぐれなのかはたまた違う理由か、 先代が死んでからというもの花祭からその名を消し 「不肖の当代」とも花主達から囁かれる男は そのようなことを気にもせぬ態で足音もなく歩み、 興味のあるものが目に映れば、耳に入れば、 その度に足を止めた。]
―――……
[また足を止めたのは、目の前の少年に興味を持ったから。]
如何した。 迷いでもしたか?
[花であろう、それは見目の若さから。 回廊で止まる少年に、そう声を掛けた。]
(51) 2010/07/31(Sat) 21時頃
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[小さな頃から叩き込まれた舞。 昔はすきも嫌いもなかったが、今は好きだ。 特に、自分にあった舞は。 亡き主も青年にあった舞を褒めてくれた。]
[誰もいない稽古場は、誰もいないが故に 過去の亡き主が、そこで楽しんでくれていると 思い込めて、振るう指先一つにも神経は注がれ 稽古場で稽古する舞とは思えぬ完成度で舞う]
(52) 2010/07/31(Sat) 21時頃
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―ヨアヒム邸・庭―
[鵠の小言はいつものことと、青年は笑って受け流す。 それ故に、相手は言葉途中で、その話題を切り上げたのか。 実際、糠に釘、暖簾に腕押し、馬の耳に念仏であるのは間違いない。]
豚っっ!!!
[しかし、自分宛てではない辛辣な言葉には、きちんと反応を返すのが華月という花である。 思わず噴き出しかけた口元を、片掌が覆った。 紫苑色の流れを苔色が追えば、密やかに身体が小刻みに揺れる。
――必死で笑いを堪えているようだ。]
(53) 2010/07/31(Sat) 21時頃
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[――……ただ……]
……重さが、ねぇ
[長物を持たぬ手。本来は真剣を持って振るうう。 あの重量がないことに足を止めて。 ……この屋敷にあるものを何か使わせてもらえないか 青年はそう思い立つと、手探りで戸口へ向かい廊下に出る 青年は屋敷の者を捕まえて 何か長物はないかと尋ねた。
そうして、この屋敷には研師もいることを耳にして ……そのことに、とても興味をひかれた青年は 研師がいると言われた奥座敷への案内を頼んだ。 見えぬ視界に手を引かれながら、 歩数を数えて向かった先、噂の研師は在室中だろうか?]
(54) 2010/07/31(Sat) 21時頃
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/*ズリエルのところ突撃体制だけ整えつつ。
(-9) 2010/07/31(Sat) 21時頃
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― 回廊 ― [足を止めて、あたりを見渡した少年にかかる声。 不覚にもびくりと肩を震わせ、勢いよく振り返った]
――っ
[表情に浮かぶ怯えは一瞬。 直ぐに押し殺し、不快そうな瞳で睨み上げる]
絵を見ていただけです。 このボクに、何か御用ですか。
[決して迷ったとは口にしない。 取り繕うように丁度其処にあった悪趣味な館の主を模した画を指して冷たい音を紡いだ]
(55) 2010/07/31(Sat) 21時頃
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―奥座敷―
[そして、考える。 この刀、できれば研ぎなおしたい。]
さて、あの「まんまる」が素直にさせてくれるかな。
[そう、いずれにせよ。金はとる。 逆をいえば金を貰わねばいい仕事などできるわけがないと思う性質だ。]
あとで会えばいうか。
[そして、部屋を去ろうとしたとき、>>54 屋敷の者がおずおずと障子を開けた。]
(56) 2010/07/31(Sat) 21時頃
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/* って、ズリ江さんいたーーー!! な、なんか出てくるの催促しちゃったんならごめんなさい…!!
(-10) 2010/07/31(Sat) 21時半頃
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