204 Rosey Snow-蟹薔薇村
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っ!
[鞭のしなる音、肩に衝撃。 少年から醜い姑の顔が見えないように、その頭を抱く。 じんとした痛みを笑顔に隠して、大丈夫、大丈夫と耳元で繰り返す。]
『何をするの、ノックス! どきなさい!』
[柔らかなプラチナブランドが揺れ。スチールグレーの瞳にノックスが、映った。
その瞬間から、ニコラはノックスの愛しい子になった。]
――きみは、悪い子じゃない。ダメな子じゃない。
[首輪を鳴らし、内なる獣が吼えた。
いい子だと甘く優しく褒め。 月の満ちる夜のうちに、拐った。**]
(453) 2014/11/17(Mon) 01時半頃
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―薄緋/3階、階段―
[どうして子供と言うのは純粋に、あぁも喜んでくれるのだろう。戻ってきたラルフににこにこと微笑んでしまう。]
おかえり。早かったね。
[器に湛えられた水に両手をつけた。 冷たさに思わず目を瞑る。
このぐらいの冷たさがあって良い。頭が冷える。 擦り合わせた手の間から、薄緋が流れていった。]
あぁ、ラルフ。今なら時間がとれるけど、どうする?
[赤くなった手を水から引き上げた。]
(459) 2014/11/17(Mon) 01時半頃
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[急いだ理由は、傷の心配からだろうと目を細め。 手の甲を服で拭った。]
勿論。 ――あー、ここだと階段を塞いでしまうね。
奥の方に行くかい?
[個室よりも廊下の奥はどうだろうと首を傾げた。 笑顔が眩しくて。つい――手を伸ばしそうになる。]
(466) 2014/11/17(Mon) 01時半頃
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[掠れた声小さく。何か異音が聴こえたら駆け降りるつもりで居たのに。階上までは届かなかった。>>469
ふと、意識を階下に向け。]
あ……いや。そうだね。
[小箱の中から貝を取り出す。傷薬が染みて、小さな声を漏らした。包帯を巻くには片手では不便。 またお願いと、彼に白い布を差し出した。]
(474) 2014/11/17(Mon) 02時頃
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[鳥の鳴き声は異音に数えず。 傷口の様子を見るラルフに警告するのは忘れない。]
……ラルフ。 ありがとう。でも、あまり見てはいけないよ。
……何とも思わないのなら、良いのだけど。
[巻かれていく白い包帯。指を開いて、閉じて。]
きつくない。ちょうどいい。 上手に巻くもんだね、感心したよ。
[ドナとフランシスも怪我をしやすいのかいと問いかけながら、廊下の奥へと促した。 やはり、手は冷たくて。触れていたラルフの手は温かくて。 つい、その手を引いてしまう。]
(487) 2014/11/17(Mon) 02時半頃
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あぁ、目、かな。かなり大きな怪我みたいだけど。 どうかしたのかい?
僕も目は――…ね。痛いよと、ね。
[綺麗なものでも、生きているものを取ろうとしてはいけないと、ニコルと約束をした。死んでいるものならば良い。だから、抜けた鳥の羽を、欠けた宝石を贈る。
幼い指が触れるのを良しとした。 吸い付きたくなる唇が近付いて、舐めあげる感触にぞくりと悦を得た。 痛いよと言う前に、瞼と眼球の間に指が入り込んでしまった。
ドナルドも指を入れられたのかなと考え。 ラルフは衝動を知らぬのだと判断し、握ってくれる手にはぁと息を吐いた。]
(497) 2014/11/17(Mon) 03時頃
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[廊下の奥。壁に背を預けて座る。 開いた包みの上にオルゴールの箱を並べ直した。]
さぁ、おいで?
[膝の上に乗るのがさも当然のように、招く。 離した手は寂しがり、彼の指を絡めた。]
(500) 2014/11/17(Mon) 03時頃
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/* フランシスの歌を封じ、ディーンの物書きを封じ、まったくwww
ノックスの教育方針に疑問を抱かずにはいられない。
ラルフがきらきらして、昔は想像(妄想)であれこれしてたのになぁって思うと、生身で、暖かくて、だめだ、ラルフ、逃げるんだ。
(-108) 2014/11/17(Mon) 03時頃
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[ドナルドに同情を抱く。 そぅ、彼も不幸だった。片目を失ったのも。
ニコラがフィリップの瞳にしようとしたことなど知らぬまま、約束を破ることはないと思っているから、大丈夫と頷いた。
トレイルも真似したらどうしようかという懸念は既に晴れている。]
気になるものがあれば、手にとって蓋を開けてくれても構わないよ。 きっと、ラルフに見られたがってるから。
[愛し子よりも重い体。 露店で出会ったのは数分のこと。 今は成長し、間近に居る。幻ではなく生きている。
あぁ。
髪に口付けを落とし、そっと身を抱き締めた。]
(508) 2014/11/17(Mon) 03時頃
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………
[ノックスの性的嗜好は取り分け少年に強く向けられると、はっきり自覚した頃には既に二人の愛し子が居た。
一緒に体を洗うのも当たり前。 裸のまま抱き締めるのも当たり前。 同じベットで眠るのも当たり前。
トレイルの体に足りないものがあると気付くのに、時間はかからなかった。
膝の上に乗せるのも、後ろから抱き締めるのも――当たり前すぎて。]
……ん? 嫌だった?
[身を固くしたラルフを撫でて、背中と腹の間に隙間を開けた。]
あ、 ――ごめん。もっと大人扱いすべきだったよね?
[しまったと慌て出す。]
(520) 2014/11/17(Mon) 03時半頃
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[何が困るのか、傾げた首の位置が戻る。 抑えきれなくなるのは――なんだ?
バーナバスと話していたばかりじゃないか。
ラルフの判断は賢明だ。 置き去りの箱を見詰めて溜息を落とす。]
………はぁ。
[箱を包み直して立ち上がる。扉の閉まる音。あちらかと首を巡らせ歩き出すと。>>526]
……おや、フィリップ。話は 無事に 済んだかい? 廊下の十字路。フィリップの]
(527) 2014/11/17(Mon) 04時頃
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[彼の頭から爪先までを見下ろし。 インクの匂いがするものだから眉を顰める。]
トレイルとニコラは、居間……かな?
(528) 2014/11/17(Mon) 04時頃
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………
[頷くだけの返答に、ノックスは腕を伸ばした。 フィリップではなく壁につけ。
孔雀石から目を離さずに、1歩踏み出して距離を縮めた。]
………それだけかい?
(530) 2014/11/17(Mon) 04時頃
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/* 読み返してはニコラ可愛いと鼻血が出る。
うそつきって、詰られそう。 月に行きたいって、また言われそう。
(-111) 2014/11/17(Mon) 04時半頃
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[何も言わなければ、フィリップの両頬を掴むところだった。 3人だけで話したいと言った彼に向けた言葉を聞く。]
その通り。
[君たちは制御出来ない子供だ。]
(532) 2014/11/17(Mon) 04時半頃
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……このこと?
あぁ、ラルフにしたことかい? 頭を撫でて
[フィリップの頭に手を置き、撫でる。]
僕の箱を見せて――…膝に乗せたこと、かな。
[彼が言わんとしていることに、小さく笑った。]
面白いことを言うね? フィリップ。 フランシスに言えないことを、するはずがない。
それで、フィリップは?
僕に言えることを、しているんだろうね?
(534) 2014/11/17(Mon) 04時半頃
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[――大人のくせに。
フィリップを見ているはずなのに。 少年時代の己と重なる。
―――保護者のくせに。
ラルフに対しては衝動を煽るような行為だったと認めざるを得ない。そう、‘保護者’のくせに――だ。
けれど、フランシスに言えぬ話ではない。 言えないのは――…もっと、別のこと。**]
(537) 2014/11/17(Mon) 05時頃
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