194 花籠遊里
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あなたさまは……っ 僕を抱いては、くれないのですか?
[判っています。 きっと抱いてなどくれません。
たとえその眸が僕の射干玉を見詰めていても。 たとえその指が僕の髪に触れたとしても。 たとえその熱に僕の体が跳ねたとしても。
長く咲く『櫻』が、まだ咲かぬ『梢』と知りながら。
僕は息を止めていました。 ただ、眸は逸らさずに。]
(108) 2014/09/23(Tue) 01時頃
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看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2014/09/23(Tue) 01時頃
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[まるでなんでもないことのように、それは告げられました。 もっと遠くに、とは何処のことでしょう>>109 『外』知らぬ僕には、きっと想像も出来ないほどの そんな距離を言葉に感じてしまったのです。
籠の中にある『花』に『蝶』がとまります。 けれどまた再び止まるかなど、知れません。 『蝶』を繋ぎとめておく手も術もないのです。
───『花』である限り。
沢山の花弁を散らしてきました。 沢山の底を隠してきました。 沢山の『蝶』を見送りました。 沢山の『花』を埋めてきました。
他のためにだけ咲き続ける『櫻』なのです。 自らのために流すものなど、ひとつとして───…]
(114) 2014/09/23(Tue) 01時半頃
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[突き放す言の葉と共に、真逆のように引かれた身体。 常夜の色を映した髪には、薄い櫻が咲いておりました。 ひらり、舞い落ちるのは彼の『人』の傍>>113
囁かれた言葉は、秋の夜風でしょう。 ですから、触れ合う肌が熱いのでしょう。
接吻けに、きゅうと瞼を閉じたのは 注文をつけられたからで、思わずなどではありません。]
っ、 ──…
[蓋をしていたものが。 埋め続けていたものが。 目を背けていたものが。
呪詛の芽が、咲こうとしておりました。]
(115) 2014/09/23(Tue) 01時半頃
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‘Tis better to have loved and lost than never to have loved at all.
(一度も愛したことがないより、 愛して喪った方がどれほどしあわせか。)
(116) 2014/09/23(Tue) 02時頃
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…───すき、です。
(*42) 2014/09/23(Tue) 02時頃
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[背け続けた言の葉が、櫻の下の海に浮かび 波紋を広げたのでありました。]
(*43) 2014/09/23(Tue) 02時頃
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───あなたさまに逢えなくなるのなら、泣きましょう。
[滲む視界を悟られまいと。 接吻けから離れて直ぐ、額を胸へと押し付けました。
櫻の下に隠された海が、漣を立てて揺れていました*]
(117) 2014/09/23(Tue) 02時頃
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