162 絶望と後悔と懺悔と
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/* 菖蒲が生まれたのが6月。 父が兄を探しに出たのが6月。 母が父を追って行ったのが7月。 母が戻って来た(父が死んだ)のが4月。
よし。
(-125) 2014/02/09(Sun) 02時頃
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『とうさま、どうしても──お外へゆくの?』
[童女が四歳になって間もなく、 『父』は急に屋敷を出ると言い出して、 童女と、使用人達を驚かせた。
座敷で出立の支度を整える父の背に、 童女が投げた問い。
父は答えた。]
『待っておいで。 あや、お前に兄を連れて来てやる』
[童女は不安げに菫色を揺らし、 しかし何処かしら期待の篭った眼差しで、 一振りの刀を携えて屋敷を出てゆく父の背を見送った。
そして──。 それきり二度と、父が屋敷に戻って来ることはなかった。*]
(275) 2014/02/09(Sun) 02時頃
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『お前のせいね──あや』
[父が旅立ってひと月あまりが経った頃、 戻らぬ父を待って母と庭を眺める童女に、母が言った。
紅の引かれた美しい朱唇から、 零れ落ちる言の葉は毒花のように芳しく、 童女の髪を梳る母の細い指先が柔肌に甘く爪を立てても、 童女は小さく──痛いよかあさま、と溢すのみで、 その行いに、何らの疑心も芽生えることはなかった。
───母が屋敷から姿を消したのは、その数日後。
それから季節を三つ跨いだ春の夜。 母は、父の首を携えて屋敷へと帰る。
その日まで、 童女は二人の親がいっぺんに離れて行ってしまった悲しみに 泣き濡れて過ごす日々を送ることになる。*]
(276) 2014/02/09(Sun) 02時頃
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[とりあえずは……直円もいろいろあって 「仲間入り」を果たしたのであろう。ともかくも。]
はぁっ……はぁっ………えっ、何これ。 かか、身体が。身体が嘘のように滾っている!?
はっは!嘘みたい!これすごぃぃぃぃい!! これが「第二の生」の幕開けなのか!?
[零瑠とは対照的に。身体能力が今までとは段違い、 あくまでも「人間」比で桁違いに良くなっていることに、 充実感を思わせる驚きを見せている。だが、やはり―]
ああ、僕も同じだ。僕も―……乾く!
[牙をのぞかせた。マユミの方を眺めながら。]
死んだら、偉くも何もないじゃあないかマユミくん。 逃れられないなら、「こっち」でのし上がればいい。 許し難いことだけど 僕は 「強く」 はないんだ…。
(*165) 2014/02/09(Sun) 02時頃
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[そして次に牙を向けたのは幼子の目を隠す少女の背]
優しく気丈な振舞い。 そこの小賢しい雛とは違うお前が、あれよりもえらくなると良い。
[土下座をする雛の姿に声をあげる少女>>*163を そのまま抱きしめる様に右腕で捕えて、 最初の雛と同じように牙を立てた]
(*166) 2014/02/09(Sun) 02時頃
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/* 菖蒲の話が完全なる自己満でしかない事に戦慄するね|◠‿◠ ) 零瑠にとっても直接関わっていない期間の事なので、いっそもう困惑させてる予感しかしないw
(-126) 2014/02/09(Sun) 02時頃
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そう、だろうね。
[でなければ安吾は包み隠さず子供たちに伝えてしまう、 そんな予感さえあって]
私にも、どちらが良いかわからない。 子供達全てに、言うのではなく性格を見て 伝える伝え無いを決めても良いかもしれないが。
徹底出来るかどうかはともかく、 いずれは知ることだ。
安吾が言わないというのであれば、私は黙ろう。 しかし彼らが聞きに来るのならばそれは、 話してしまおうと思う。良いかな?
[その事に気づくものがいれば、だけど]
(277) 2014/02/09(Sun) 02時頃
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―むかしのおはなし―
[――もしかして私も喧嘩を売られるのかな?
>>234 彼が自分の顔をまじまじと見た時に、 そう思ったのは、>>131気絶してた彼を交代で看病したからだ。 どっちが見ている時に目が覚めるかな、なんて話してた相手は誰だったか。結果、彼の目覚めを見ることは無かったけど、彼がどうしてこうなったかその経緯はもちろん聞いていた。
看病の間、寝顔を見ていたせいか、 その少しきつい眼差しもあまり怖いと思わなかった]
(278) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
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ん…ン――
[全身に始祖の血が巡る悦に、脳が焼かれそうだ。初めての食事は最高の食事でもあった。]
…ぷ、は ――――― ぁ
[頭を撫でる手に、肌から離れた唇が満足げに幸せそうに弧を描く。
引き離されたことで牙が肉から抜かれた。 夢中で求めていたせいで、赤子の様にトルドヴィンの肌と己の口元を、そして白の服の胸元を紅く汚して居たことに気付いたのは、二つ穴から新しい血が溢れて零れるのを見た後で。
視界に入る紅色。 同時に零瑠は意識を手離した。*]
(*167) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
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[彼が来た頃には、もう今の自分と殆ど変わりが無かった。 つまり、町の子に絡まれたら加減もわからず言い返してた。 それはきっと危なっかしく見えてただろう、けれど]
……え、別に大丈夫なのに。
[自覚は無かった]
でも折角だから一緒に行きましょう。よろしくね。
[その頃にはもう、 彼は年下さんたちからの絶大な信頼を受けていたから。 “ヒーロー”くんにはもちろん興味があったのだ]
(279) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
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[なのだけど、吃驚するくらい会話が続かなかった。 ――これはもしかして、嫌われているのかもしれない。
話題として気絶してるの看病してあげた。 というのもあったけれどそれはさすがに言えなかった。 むしろ、こちらが喧嘩を売ることになってしまう。
>>236 足音の他に、小さなため息も混ざった]
(280) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
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[雛が牙を立てた首筋からは固まり切らぬまま血が流れ 力を注がれた少女を誘う]
お前が持ってきた水で癒えるかどうか試すと良い。
[雛を見れば、その喉の渇きを癒す方法は知れるだろう。 何より理性を越えた餓えが身体を動かす衝動となる。
衝動を止めた時に変わった己を自覚した少女は何を思うのか。
そして自分を守る様に傍にいてくれた姉の様な少女の変化を 間近で見る事になる少女もまた何を思うのだろうか。
嘆いても蔑んでも、辿る道は同じなのだが]
(*168) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
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― 孤児院のある日:雨 ―
[僕は嫌な顔ひとつしないで頷く。>>207 手伝いながら雨の音を存分に聞くんだ……。ここで窓を開けっぱなすわけにはいかないし]
僕のお願い事はね、………ぇと、
[外は雨のせいで青く霞んだように見えてて、 僕らがいる中では『希望』の文字が、黒いインクみたいなので雨の音よりも静かに書かれていった。 ふたつの漢字が書き終わる頃に口を開いて]
アヤと一緒に遊びに行くの。…外で。
…………僕だけじゃ足りないってこと?
(281) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
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[鬼ごっこの時以来、アヤはいっそう外に出たがらなくなったから。 僕が願うだけじゃずっと叶わないのかな。 アヤとふたりでならどこにでも行ける気がするのに。
涙をこぼしたみたいに雨の雫が落ちた紙を持って、書く順番を覚えるまでもう一回、もう一回、って。
そのたびに『希望』って書かれた紙が増えていった**]
(282) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
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―むかしばなし―
[明之進の前から立ち去ろうとすると、服の裾を引かれて制止される。振り返れば無色の笑み。
内面を窺うことすら出来ない不思議な貌を見せる、明之進という少年に少なからぬ興味を覚え、母の喪失>>241を問われれば、今更隠すこともないので包み隠さず話した] 生きてんだかどうだか、 もう、それすら分かりゃしねえだろうな。 お袋代わりに面倒見てくれたのは何人もいたけど、 本物の母親ってェわけじゃないからな。 [だから、明之進の口する感覚は実感したことがない。
娼婦達は周を可愛がってくれたが、あれは息子ではなく、捨てられた犬猫の仔の面倒を見るような心情ではなかったかと思う。 それでも、彼女達への感謝は変わらないのだが]
(283) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
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[基礎のきの字も知らない為、訓練は基本から教わった。 基本的な身のこなし方、それから身の守り方。
誰かが守ってくれていた、子どもではなくなった。 自分の身は自分が守る。 そんな簡単なことができなくて、誰のことを守れるというのだろう。 そう自分に言い聞かせて。 伸ばす手の届く範囲が少しでも広くなるようにと、訓練を続けていた。]
(284) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
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[彼がふと足を止めたのは、 自分のため息が聞こえたせいだろうか。
頼まれていやいや来てくれたのかもしれない、とか。 やっぱりヒーローくん律儀なんだな、とか、 そうならそうでちゃんと断ったのに、とか。 いやでも、嫌われる理由はあったかな?とか。
ぐるぐるしてたので、すっかり悲壮感漂う顔になっていた。 それで彼はきっと吃驚したのだろう、と思う。 ――逆光なんて、背負ってる側からはわからなかったのだ]
……周くん、わたしのこと嫌い?
[問いかけは思いつめてのものだったが、 彼にはきっと少年たちに絡まれるよりずっと唐突な災難だっただろう*]
(285) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
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温かい、か。 俺にはよくわからんなぁ――
[>>264腕組みをし首を傾げる周の頭に、明之進の手が伸ばされるが、身長差のせいでその手はぺたり、額を叩くことになる。
最初彼が何をしたいのか、全く理解できなかったが 懸命に手を伸ばす様子に何事かを察し、膝を屈める]
……お前なぁ、男はどう頑張ったってお袋にはなれねえぞ。
[そう口にするが、頭を無心に撫で続ける明之進の貌を見て、知らず口元が緩んだ*]
(286) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
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/* あ。そうか。 赤組は赤で話を進めているのか。 だから白で落とすのが回想多めになるのか?
(ノ)ω(ヾ)ムイムイ
(-127) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
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[離れた零瑠が始祖の吸血鬼に取り縋り、>>*158 あれほど忌避した血を貪る様を見ているしか出来ず、 直円とリカルダの心が折れる音も聞いた。>>*155>>*161]
真弓ちゃ……
[始祖が少女達の元に向かう。>>*166 振り返って、もう動くだけの気力がなかった。
傍らの家族は手を離さない。>>*164]
……零瑠君。 とげだから、駄目だよ。
[自分で告げて、使途不明の笑みに涙が滲んだ。 絵本で見た、笠や蓑に吹き付ける雪を払うように、 小さく体を揺すった]
(*169) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
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/* これ、村人側も共鳴とかの方が良かったかもしれないと思いつつ、賞金稼ぎが必要だから難しいよなー。
(ノ)・ω・(ヾ)ムニムニ
(-128) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
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/* 落とす順番を間違えたでござる…… */
(-129) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
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/* ほんともうこれほとんど一人称の皮をかぶった三人称(というかいつもの文体)やでぇ……
賞金稼コンビにすげぇにやにやする そしてまさかの僕ラストオオオオオオ
(-130) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
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/* 二人目真弓ちゃんいったー! 葵さんへのご褒美展開はお預けのようです!
支配するなら男女各1がいいですよね、わかります。 */
(-131) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
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/* >>285 傾城→わたしのこときらい? てんさいだろ */
(-133) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
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/* あとやっぱちょいちょい言葉選び間違ってるっていう
>>*69 「皆と一緒に逃げるつもりだったのに」→「皆と一緒に逃げようとして」
(-134) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
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[切欠となった残る雛鳥に噛み付いても良かった。 だがあれはホリーと対峙していた1羽と縁がありそうだった。 それならば、もし再会する機会があるのなら。 ホリーと眷属として再会させてやろうと考えていた。
名を知らずとも本能で、鬼を祓う柊を避けたのかもしれなかった。 それと同時に、弱々しく見えるこの男と、 守られる幼子を前線に送りだしたかった。 火力としては不足に見える2人に無様に殺される家畜達は 見物だろう。
何処までも家畜からすれば、吸血鬼は悪趣味な思考しか 持ち得なかった]
(*170) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
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[どうなるのかというリカルダの問いに、答えることはできなかった。出来なかった姿こそがもっとも雄弁な答えになったかもしれない。
>>*166 その優美な影に抗うことも出来なかった。 ――リカルダを守らなければ、 思ったときにはもうその腕に捕らわれていた。 咄嗟にのけぞる様に逃げようとしてしまったのは、 その青く脈の浮かぶ喉首を簡単に差し出す結果になっただけ。
――喉の薄い皮膚の上を、黄金が擽っていく。 感じたのは冷たい熱、痛みよりも激しく鋭く貫かれるような、 仰ぎ見た天井、灰色の眼差しにうつるそれが曇る]
……いやっ、っ、 ぁ 、
[震えて、跳ねたからだが冷えていく。 流れ出していくものはなんだったのだろう]
(*171) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
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[「聖水銀」の話は、いつ聞いたのだったか。 怖いとは思わなかった。 それが必要ならば、拒否するはずもない。
早く、早くと思い、与えられた量よりも多く飲もうとしたこともある。 それを実行する前に止められたが。
分かっていても、気持ちばかりが焦っていた。]
(287) 2014/02/09(Sun) 02時半頃
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