151 雪に沈む村
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墓地の手入れもしておかないとな…
[立ち上がって着衣の乱れを整える。 チャールズは人間ではあるが、寒くなると矢張り体に流れる龍の血は濁って重くなる。 常より眠る時間も長くなるものの、彼らのように冬眠できる訳ではないので、多少辛かろうが身体を動かさなくてはならないのだ。 でないと春にとんでもないことになる。 主に床擦れとかで。
外套を羽織って塔の外に出る。 積もった雪をきゅ、と鳴らして、通りへの道をのんびりと歩き出した]**
(+1) 2013/11/28(Thu) 15時頃
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―村はずれ―
はあ…
[歩き疲れ、適当な岩に腰掛ける。 来るときは龍の背中に乗ってひと飛びだったが、帰りは自力で帰らねばならない。 しかし、なにせ初めて来る場所だ。 飛びながらカルヴィンが村の景色を説明してくれたとはいえ、やはり地上から見るのとでは違う。 とりあえず飛んできたのとは逆の方向に向かって歩けば、村にたどり着けるだろうと、しばらく進んでみたものの、建物らしきものが見える気配がない。 こんなとき、いつも一緒だったカルヴィンも今は眠っている。 普段は強がっていても、頼れるものが居ないと思うと、急に心細くなる。]
ん?あれは…
[途方に暮れるトニーの目に飛び込んできたのは、昨日ピエールの店で話した老人の姿だった。>>15]
おーい、じいちゃーん!
[村までどのくらいの距離があるのかはわからないが、ひとまず見知った顔に会えただけでも心強い。 藁にもすがる思いで、その老人に手を振った。]**
(16) 2013/11/28(Thu) 19時頃
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靴磨き トニーは、メモを貼った。
2013/11/28(Thu) 19時頃
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―― 墓地 ――
あははは、そーいうのじゃにゃいよ。 バーニーは、いい匂いするー。
[笑いながらぴこぴこと耳を動かした。 人里から少し離れたところにいつもいるからか、深い森の樹木のような、落ち着いた香り。 それは長く長い間生きてきた彼が持つ独特のオーラとも混ざり合って、そのように感じるだけなのかもしれないけれど。
青年の問いかけに、小さく頷くバーナバス。 彼の手で払われたところから、また雪が降っては静かにその墓石に積もってゆく。]
(17) 2013/11/28(Thu) 20時半頃
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[追憶のはるか向こう側、そのひとのことを思い出しているのだろうか。 >>12バーナバスの深みを帯びた声は、雪の降る中静かに響く。 青年自身は、一年、大好きな人たちと会えないというだけで、気が遠くなりそうだったのだ。
また、会いたいと。 >>13老人の切なる願いは、吐き出されれば白く儚く、少しだけ風に舞って、空中に融けるように消えていった。
その様子に、目の奥が、なんだかじわりと熱くなる。 そっと、墓石に同じように手を伸ばし、雪を払いのける。]
――……うん。 会えると、いいなぁ。
[それがどんな形でか、はわからないけれど。 会えるといいのに、と祈らずにはいられなくて。 青年が吐き出した音も、刹那空気を白く染め、やがてすうと冬の景色の中にとけていった。]
(18) 2013/11/28(Thu) 21時頃
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[やがて、そんな空気を払うようにいつものような調子でバーナバスが冬をどう過ごすのかと尋ねて来る。>>5:39]
うん、俺、冬眠するんだー。 本当はバーニーの洞窟の近くでしようと思ってたんだけど チャルが……神父様が、 時計塔使っていいって言ってくれて。
[寝床を移したところなのだと、説明する。]
バーニーは? 冬眠?それとも旅にでるの?
[人の姿でここにいるのは、旅にでる前の、お墓参りのためだろうか。 そうしてもう少し、話しただろうか。]
(19) 2013/11/28(Thu) 21時頃
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あ!! いっけね、俺用事あったんだ。 そろそろいくねー。
[つい、珍しさに話し込んでいたけれど。 ソフィアの店へ行かないといけないのだった。 そのことを思い出して。ああ、でももう一言、と背を向ける前にバーナバスに向け微笑んで。]
ねえ、バーニー。 春になったら、また一緒にきていい? ここ。
[尻尾をくるりと丸め、そんなことを尋ねかけた。 それから、気をつけてね、とぶんぶん手を振って、バーナバスとは別れたろう。]
(20) 2013/11/28(Thu) 21時半頃
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-回想・墓地>>5:39-
ところで、お前さん冬はどうするつもりじゃ? 冬眠場所のアテはあるのかいの?
[まるで今までの重い雰囲気を振り払うようにクシャミに問う。 どうやら彼は冬眠――この村へ残る選択をしたようだ。 本当に、冬の過ごし方は銘々で異なる。 今度はクシャミから、冬はどう過ごすのだと逆に問われた。 老龍にとって、冬の過ごし方は一つしかない。]
――私は、ここで雪解けを待つんじゃ。 昔、ここの近くにあった村でこやつと暮らしてたんじゃ。 …今はもうその村はないんじゃが… それでも、ここは思い出の地だ。 ――ここで、皆の目覚めを見守っとるよ。
(21) 2013/11/28(Thu) 21時半頃
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[もう、幾星霜を繰り返してきた過ごし方。 古く。古く。遠い時間の向こうから。 村眠たちが巡り巡る中で、この老龍はじっと生きていた。]
毎年、冬になったらここへ挨拶に来るのじゃよ。 まだ冬眠から覚めないのか、ってな。 また冬が来たぞ、とな。 こやつは……冬入りの年に、眠りについたから。
[白く冠を頂く墓石を、またさらりと撫でる。 女性の死以来、若き日の龍はずっとここで冬を過ごしている。 どんなことがあろうと、冬眠をするのはこの場所に帰ってきてからだった。]
(22) 2013/11/28(Thu) 21時半頃
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[まるで雪に沈む村を惜しむように、クシャミと会話を交わす。 やがて、彼が用事を思い出したらしく、尻尾をピンと跳ねさせて墓地から立ち去ろうとする。 が、クルリとしなやかに振り返り、微笑んだ顔で青年は再会を望む。]
そうさな、その時には夢みたいな思い出話を―――
……できるように思い出しておくわぃ。 大分忘れとるからのぅ。
[別れ際までおどける老人に、猫の青年は笑ってくれただろうか。 小さく手を振り、青年が立ち去るのを見送った。]
(23) 2013/11/28(Thu) 21時半頃
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/*
ああああああ誤字ったーーー!!! >>22 村眠 → 村民
(-2) 2013/11/28(Thu) 21時半頃
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-村はずれ-
[ねぐらの洞窟へ向かうところだったが、遠くから呼びかけられる声に首をめぐらすと、遠くに人差し指くらいの大きさの人影が見えた。>>16]
んー……ありゃあ…
[目深に被った帽子の奥にある目を細め、眉をひそめて人影を凝視する。 どうやらバーナバスに見覚えのある人物のようで、手を振ってくる姿は少年のようだった。]
おお、あの時の鍋少年! どうしたんじゃー!こんなところでー? そろそろ寒くなる時期じゃ、早めに村に引き返した方がいいぞー!
[老人にしては駆け足で、一般人の速度ならおそらく早足程度の速度で、少年へと近づいた。]
(24) 2013/11/28(Thu) 22時頃
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>>24 鍋少年って…トニーだよ!
[人に会えた嬉しさに、こちらへ近づいてくる老人に 自分からも駆け寄るが、あまりな呼ばれように、思わず突っ込みを入れる。 そういえば、きちんと名乗っていなかったような気もする。]
あー…うん、帰りたいのはやまやまなんだけど… ちょっと方向まちがえちゃったみたいでさ…
[迷子になった、と正直に言うのはカッコ悪いと、少し言葉を濁しながら答える。]
つーか、じいちゃんこそ、こんなとこで何してんの?
[トニーはバーナバスが龍であることを知らない。 引き返した方が良いと言うのなら、彼も同じではないだろうか?]
(25) 2013/11/28(Thu) 23時頃
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靴磨き トニーは、メモを貼った。
2013/11/28(Thu) 23時頃
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おお、トニーというのか。 私の名前はバーナバス。ご覧の通り神様じゃ。
[どこが『ご覧の通り』なのかまったく分からないが、この老人は純粋な少年に神様だと名乗って惑わすのが趣味なのかもしれない。 だとするなら悪趣味にも程がある。 少年も、『神様』への反応もそこそこに現状をぽつぽつと喋り始める。 どうやら迷子になったようだ。おおよその理由は見当がついたが、バーナバスは敢えて言及しないことにした。 少年からどうしてここにいるのかと問われれば、]
そりゃあ…この先に友人が住んでるんでの、冬の前の挨拶に…
[とはいうものの、この先には人の住んでいる建物どころか小屋の一軒もない。そんなものがあれば二人ともこんな何もないところで出会わなかったはずである。 たまたま『この先』、と指さした先は、はたして若き龍がねぐらにしている洞窟だっただろうか。]
(26) 2013/11/28(Thu) 23時半頃
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/* 冷えた頭でもっかい考え直したら、ちょいと私自身の姿勢にも問題があったな…。
(-3) 2013/11/28(Thu) 23時半頃
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―ソフィアの店―
アリスを誘うのもいいわね。 ピエールのお店で焼き菓子を買って、ここのお茶を持って。
……きっと、そうして過ごす時間は楽しいわよ。 このコサージュ用に編み上げた花の、実物だって見られるわ。
[春にしか咲かない花は、他にも数え切れないほどたくさんある。 ソフィアをじっと見据えて、微笑みながら口を噤んだ。 彼女の返事を待つように]
もしよければ、クシャミもいかが? 人数が多ければ、ピクニックみたいで素敵だもの。
[それから、クシャミに視線を移して誘いかけた。 きっと春になればジリヤにも、彼が知っている森の、知らない一面を紹介してあげられる。 それほど遠くへは行けないけれど、それでも心躍る風景は幾つもあるものだ]
(27) 2013/11/29(Fri) 00時頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2013/11/29(Fri) 00時半頃
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>>26 へへっ、今度はだまされねーぞ。
[しれっと「神様じゃ」と言う老人に、得意げに返す。 そう何度も同じ手には引っかからないという謎のアピールだ。]
この先?家なんかなかったぜ?
[老人がこの先に友人がいる、と指さしたのは自分が歩いて来た方向。 まさしく友人の“家”があったのだが、そのことは言わずにおいた。 せっかく教えてくれた、カルヴィンの“秘密”を他人に教えてしまうのが、勿体ないような気がして。]
ひょっとして、バーナバスじいちゃんも、迷子になったんじゃねーの?
[からかうように、にやり、と笑う。 “も”と言ったことで、自分が道に迷っているのを認めていることにトニーは気づいていない。]
(28) 2013/11/29(Fri) 00時半頃
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[お昼のごはんを持ち、ぶくぶくに着膨れて一歩外に出た。寒いけど、ちょっとヒンヤリしてて心地良い。
ザク、ザクと歩いたところで一旦家の中に戻りシャベルを肩に担いで再び外に戻る。出歩く前に玄関付近の雪かきをしておいた方が良さそうだ。ふうふう言いながら雪を脇へよける。新雪でふわふわでも何十センチも積もれば重いのだ。ゆっくり作業したもののそれほど時間はかからなかった。
一息ついて、シャベルは室内に戻した。]
散歩すんの久しぶりだ。あー。春にならねえかな…
[だいたい二言目には春を待ちわびている。特にあてもなく歩いていると向こうから人が>>+1。時計塔の近くまで歩いていたらしい。すんと鼻を動かして匂いを確かめる。]
(+2) 2013/11/29(Fri) 00時半頃
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-母の夢:教会-
昔から変わらないわね…… もう、お嬢さんって年でもないのに。ふふ。
[>>5:+12 10年前の冬。銀世界を飛び跳ねるようにして教会へ向かった。 通い慣れたこの道も、白装束を着た今では全く別の世界。 しかし信心深さからそこに足繁く通っている訳では無く。 寧ろ、神がその理由を知れば呆れてしまうような……小さなエゴイズム。 一段と毛深くなった長い髪の毛を揺らしながら、チャールズ!と凛とした声で呼びかける。冬用に新調した厚手のコートは似合っているだろうか。コートと揃いの蜂蜜色の手袋は気付いてくれるだろうか。……なんて。
残念ながら呼び声に答える事はなかった。どこかへ出かけたのだろうか。 ぷ、と頬を含まらせると。 教会の傍に積もってある小さな雪の山を蹄で蹴り上げた。 平地になった雪が……再び雪山を作り……それを賽の河原の鬼の如く蹴り上げた頃……]
(+3) 2013/11/29(Fri) 01時頃
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[>>+5:13 彼が来た。
『──エリサ、雪が。』
そう言って自分に近づく掌の所為で、…雪のように積もっていた負感情がいともあっさり溶けてしまいそうで。 一方、そんな単純な事で許してしまう幼い自分が恥ずかしくて…そっぽを向いたものだ。 僅かに首元に触れる彼の指先に、ぞくり、とした。 そうなる原因は、冷たさばかりではないけれども。 ………己の手の事など全く意に介さず、此方を心配げに見つめている暗灰色の瞳が……近い。
褒めて貰おうと思っていた蜂蜜色の手袋なんて、どうでも良くなっていた。 それをコートのポケットの中に入れると、外気から守られていた両手が露出する。 それは羊の獣人といえど蹄ではなく、人間と……目の前の彼と同じ手をしていて。]
(+4) 2013/11/29(Fri) 01時頃
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[――…チャールズ、手が。手が冷たい。
初めて握った彼の手は、思っていた以上に大きくて。少し節くれだっていて。 苦労を重ねてきた事がよく解る、優しい手だった。 体温が相手にも届いて、少しだけ彼の指先が温かくなる。 己の体温と、彼の体温が、等しくなっていく。 その時、自分はどんな表情をしていたんだろうか。 ……思い出せば、今でも頬が紅潮してしまう。
そうしていると、引っ張られる手。重なる指。 一挙一動を思い返せば思い返す程、胸の奥が締め付けられるようになる。 まだ少女だった己の、幸せな、ひと時。 時間にしてみればほんの一瞬にしか過ぎない、あの時を。 忘れた事があっただろうか。
何故。……何故、あの時言えなかったんだろうか。 時間は有限で、且つ二度と過ぎた時間は戻らない。 去りゆく時の流れのなか、何度も何度もあの雪の日を。
夢のなかで見た。]
(+5) 2013/11/29(Fri) 01時頃
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[新雪はきめが細かく、踏みしめる度にブーツの下で音を立てる。 冬の乾いた空気と低い気温では簡単に溶けもせず、くっきりとした足跡が同じ間隔で刻まれていった。
ふと顔を上げると、道の向こうから見慣れた姿が此方へ向かってくる。多少──大分、いやかなり着膨れてはいるが、そのベビーピンクな肌と防寒着から覗く髪は、料理屋のピエールだろう。
向こうも既に此方に気付いているようで、軽く手を上げて挨拶をする。]
こんにちは、ピエール君。もう入眠したかと思っていたのですが。 お散歩ですか?
(+6) 2013/11/29(Fri) 02時頃
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チャールズは、雪を踏み締めつつ、何時もの笑顔でピエールに歩み寄った。**
2013/11/29(Fri) 02時頃
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まあ……『家』はないのぅ…
[なんといっても生来の姿は龍、カルヴィンもバーナバスも建物などを作った日には変身を解いた瞬間にぶっ壊してしまうからだ。 そして、トニーが迷子になったのかと問えば。]
バカを言うでない、私は… 家に… いえ…に…
うん、まあ家はないのぅ。
[言っている最中に先程の自分の発言と矛盾したことに気付き、老人ははてと首をひねる。]
……いや、迷子ではないぞ? 一旦村に戻るか?
[しかし、ただ迷子になったと思われるのも癪なので、とりあえずバーナバスは村まで戻ろうと提案する。少年が一人で戻れるというなら、そのままこの場で別れるだろう。戻るというなら、道案内として先導するつもりだった。]
(29) 2013/11/29(Fri) 02時半頃
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>>29 んん?大丈夫か…じいちゃん…
[老人の言うことはなんだかちぐはぐだ。 始めはからかい口調だったが、だんだん心配になってくる。]
そうだな。一緒に帰ろうぜ。
[道案内してほしいのもあったが、このまま老人を一人にしておくのは心許ないと、トニーは老人の手を引いた。]
そういや、じいちゃんはどうすんの?冬の間。**
(30) 2013/11/29(Fri) 16時頃
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靴磨き トニーは、メモを貼った。
2013/11/29(Fri) 16時頃
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[>>5:+15>>5:+16 手が重なる。10年前よりもずっと皺が寄って、骨の浮きだったようなその手を、同じように。
続けられるその苦しげな声は、搾りだすかのように痛ましくて。 ああ、どれほどの長い間、この人は己の背負った十字架に苦しめられていたのだろうか。 何度、女神に祈りを捧げてきたのだろうか。
気持ちのなかに、火を吹き付けられたような切なくも温かな衝動が過る。許されるならばその衝動の儘に、動きたかった。 懺悔をするこの男の身体を受け止めて、全てを赦してあげたかった。 けれどもそれをするには、時間があまりにも――…、]
……チャールズ…。
[>>5:+17 長い告白のあと、漸く出した声は掠れてしまっていた。 重ねられた手を少し強く握り返す。 あの雪の日と同じように、優しい掌を実感する。 色んな言葉が喉元まで出かかって、…口内で消えてしまった。 だから、これだけでも。せめて。]
………ありがとう。
(+7) 2013/11/29(Fri) 17時半頃
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[………。 私の人生の中で貴方の存在は18/18なのだけれど。 貴方の悠久の時の中で、私の存在は18/300くらいなのかしら。 そして、段々と希薄になっていくのかしら……。
18歳の時に村を出た理由を思い出す。 ああ。なんて愚かな。]
―――……神様。どうか、この人に救いを。
[巻き戻す事が出来ないその時を噛みしめるように。 目を閉じて祈りを捧げた。]
(+8) 2013/11/29(Fri) 17時半頃
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―― 墓地 ―― [この村が昔はなかった、なんてことも、近くに全く別の村があった、なんてことも、青年にとっては思いもしないことだった。 バーナバスは、10年に一度は必ずここに来るのだという。>>22
そうやって、この老龍は幾度の冬をここで過ごしてきたのだろう。 青年にとっては、長い冬でも、バーナバスにとってはあっという間なのだろうか。]
……うん、楽しみにしてる! 一年会えにゃいからって、俺のことまで忘れちゃわないでね!
[にいと口の端を持ち上げ、笑いながら手を振った。]
(31) 2013/11/29(Fri) 18時半頃
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―― ソフィアの店 ――
へっ!? 抜けがけ?え?何が?
[>>5ノックの音のあと、店の中へと入ってきたドリュアスに真面目な顔つきで言われれば、何か怒られているのかとおどおどとしながら頭に疑問符を浮かべる。ジリヤの表情がゆるめば冗談だとわかり、ほっと胸をなでおろしたけれど。
ジリヤがふんわりとした色合いのたくさんのコサージュを取り出して>>6、彼女らしいゆったりとした調子でソフィアに話しかける。 彼女も、ソフィアの元気がなさそうなのが気にかかっていたのかもしれない。抜けがけ、と言われたことに、なるほどと内心納得し、二人のやりとりを邪魔しないよう眺めて、独り密やかに微笑みを浮かべる。]
(32) 2013/11/29(Fri) 18時半頃
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[不意にジリヤの顔がゆっくりとこちらを向いて尋ねられれば、尻尾をピンと立てて、勢いよく首を縦に振る。]
うん、俺も行きたい! ねえ、チャルやサイラスたちも誘ってもいい?
[この秋の国では、10年に一度しか見れない風景。 そんな風景を、みんなで一緒に楽しめたら、きっととても楽しいだろう。]
(33) 2013/11/29(Fri) 19時頃
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[ドナルドやサイラスに頼んで、春の風景を空から見せてもらうのも素敵かもしれない。 ソフィアのお茶と、ピエールの焼き菓子とをお共にして。
チャールズは足が悪いけど、ピクニックは大丈夫かな。 バーナバスも誘ったら来てくれるだろうか。 ピエールやウォーレンみたいに、お店を持っている人も一緒にこれたらいいなぁ。もちろん、ピエールのとこのちびっこも一緒に。 花の事はあまりわからないから、ジリヤに聞いたりして。 トニーやカルヴィンは、イタズラをしてジリヤやウォーレンに怒られないといいな。 アリスともお花見の約束をしていたけれど、あんまり外に連れ出し過ぎると止められるかな。それならこっそり壁を登って連れ出してしまおうか。 後で、一緒に怒られることになるだろうけど。
そんな想像をして。 青年は、春が来るのが一段と、待ち遠しくなる。**]
(34) 2013/11/29(Fri) 19時頃
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[少年に冬の過ごし方を聞かれれば、>>30 老人はいつも通りの答えを返すだろう。]
冬はゆっくり休むつもりじゃ。 春に、みんなが目を覚ますのを…じっと待ってるんじゃよ。
[手を引く少年の手が温かい。 老人の手は、氷のように冷たかったことだろう。 腹巻きの効果も、寒さに奪われる老人の魔力に比例して弱まっていた。]
坊やも…家の中で温かい恰好をして、ゆっくり休むんじゃよ? こんな何もないところを宛もなく歩いていたら、寒さで凍えてしまうじゃろう。
[村の方へと歩き続けながら、少年と話を続ける。 正しい方向へ歩けば、すぐに村の明かりが見えただろう。]
(35) 2013/11/29(Fri) 20時頃
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