22 共犯者
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私には特別長い一日だった。 ……ピッパは悪くないよ。 それに、また、逢えたから、それで十分。
[あの時、見ていることしか出来なかった。 守るといったのに動くことが出来なかった。 何も出来なかった自分が悪いと思いながら 其れを口にしないのは彼女の死を語りたくないから。 自分も死んでいるのに、おかしい、と 心の片隅で思いながら言葉を綴る]
やっぱりピッパは優しいよね。 またピッパの歌が聴きたい。 ねぇ、私にも、……歌えるかな?
[おずおずと彼女に教えを乞うてみる。 触れるぬくもりはきっと彼女の心のぬくもり。 寂しさを埋めるようにぎゅっと抱きしめて 顔を上げて彼女を見詰める娘の顔は何処か幸せそうだった**]
(+19) 2010/08/07(Sat) 02時頃
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此処にいればまた逢える。
[魂となって留まる理由は何だったか。 心残りがあったのかもしれない。 遺してきた者の事が気になった。 これから先の事が気になった。 儀式で犠牲となった目の前にいる彼女の事を ずっと気にしていたから――]
ピッパは優しい。 自分の考えをしっかり持っていて 大事なのが何かをちゃんと知ってる人。
[村の考えに染まらずに己の考えを持ち それを貫いた彼女に憧れのような感情を抱いていた。 彼女のぬくもりを手放す事が出来ずに 寄り添いながら歌い始めた彼女の調べを心で感じる]
(+23) 2010/08/07(Sat) 15時半頃
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[ピッパが歌えると言ってくれたから 娘は彼女の教えを受け止めおずおずと音を奏でる。 心に響き心を揺さぶる彼女の調べに添えるは仄かな彩り。 直ぐ傍で聞く彼女の歌声に胸が締め付けられるようだった。
娘の眸に映るのは彼女の姿。 眩しげに目を細めるは歌う彼女の美しさに見惚れるから。 彼女の繊手が頬に触れる。 心がくすぐったいような甘さを感じた。 彼女の手に自らの手を重ね伝えるのは心の温度]
手を取り合い踊りましょう 暁が 貴方を 迎えに来るまで
[心にぽっかりとあいた穴。 彼女の存在を感じてその虚無感が消えてゆく。 ピッパがいる事が何よりも心強く嬉しかった**]
(+24) 2010/08/07(Sat) 15時半頃
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― 失われた記憶の欠片 ―
[娘にとって最後の巡礼の夜>>140 ヘクターに誘われて娘は彼の隣を歩いていた。 疑う事を知らぬ娘は人ならざる者の手を取る。 娘の手よりも幾分大きな男の手を握り―― そう、手を繋いで歩く気恥ずかしさもあって 男が柊の木がある場所以外に向かっている事にも 気付けなかったのだ。
不意に始まる話>>142は娘も何処かで考えていたから 心を読まれたのかと驚いてヘクターを見上げる。 何故か此方を向いて呉れぬ彼の横顔を見詰めた]
家柄なんて気にしない、けど……
[兄のように慕っていた彼だから 支えとなりたいと言ったのだけれど。 伝わっているのか如何か不安になる]
(+25) 2010/08/07(Sat) 16時半頃
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― 失われた記憶の欠片 ―
如何したの……?
[確かめるようなヘクターの言葉>>147に 首を傾げてそれから ふ、と淡い笑みを浮かべた]
――…信じたい。 私はヘクターを信じてる。
[仮令何者であろうとも娘は目の前の男を信じていた。 心を伝えようと言葉にするのだけれど 彼にそれは届いていただろうか。 抱き寄せられる娘の肩が緊張からかぴくと跳ねる。 見詰める眸に何も言えなくなって塞がれるくちびる とくりとくりと奏でる自らの鼓動。 高鳴っている事を知られるのが恥ずかしくて 羞恥に染まる頬が月明かりのもと晒される]
(+26) 2010/08/07(Sat) 16時半頃
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― 失われた記憶の欠片 ―
――…あ、
[名残惜しさに紡がれた音と感じた鈍い衝撃>>153は同時。 貫かれた痛みは少し遅れて感じるのだけれど それ以上声をあげる事も出来なかった。
食べても良いと言ったのは嘘ではない。 本当は違う形で――一緒に歩んでいきたかったけれど 彼を満たす方法がこれしかないのであれば、とも思う。
彼を見詰める娘の眸がじわりと濡れて 涙は今にも溢れ出しそうだった。
守り刀の事を言われて娘は困ったように笑おうとした。 それは上手くカタチとならない。 ――守りたい人に守り刀を向けられるはず、ない、でしょう? もうくちびるを動かす事も出来なくて伝える術なく思う言葉]
(+27) 2010/08/07(Sat) 16時半頃
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― 失われた記憶の欠片 ―
[時を刻んできた娘の心臓は呆気なく男の手に収まり その時を止められてしまう。 息絶えた娘の身体と魂の繋がりが希薄になる中 娘の心に届いたのは謝罪の言葉>>158
向けられたのは感謝ではなく謝罪。 自らの命が誰かの糧となり繋いでいくならば それは自然の摂理と諦めもついたのだけれど。 謝られた事が哀しくて娘は最期の記憶を置き去りにした**]
(+28) 2010/08/07(Sat) 16時半頃
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[いつでも逢えるのは嬉しかった。 いつでも逢えるようになった理由を思えば哀しかった。 望んだ未来はピッパのような優しい人が笑っていられる世界。 嬉しくて哀しくて泣きそうな笑みが浮かんだ]
ピッパの一番大事な物って……
[ピッパの呟き>>+50が心に響き問うように首を傾げる。 彼女が何を考えているかまでは分からないのだけれど 彼女が寂しそうに見えたのか 若しくは、自分の寂しさがそう見せたのか 抱擁の為、背にまわした手で彼女の背を撫でる。 昔、彼女の祖母が娘をあやす時にした仕草。 一人じゃないことを伝える為の動作だった]
(+59) 2010/08/07(Sat) 23時半頃
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[上手>>+51と言われればはにかむような笑みが浮かぶ]
ピッパの教え方が上手だから。
[此処に来たから二人で歌う事が出来た。 けれど二人とも生きていたらいつかあの村で 同じようにしてピッパに歌を教えて貰えただろうか。 もしも、――そう考えて切なくなる。 嗚呼、こんなにも、彼女に生きていて欲しかったのだ]
……ありがとう、ピッパ。
[ぎゅ、と一度きつく抱き寄せて伝える感謝。 彼女の眸を見詰めて、それから腕を緩め彼女を解放する。 聞き覚えのある声が娘の名を呼んだ。 視線を向ければ其処にはホリー>>+55が居て]
ホリーも此処にいたのね。
[懐かしげに目を細め声を返した]
(+60) 2010/08/07(Sat) 23時半頃
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テッドが会いに来てくれてて嬉しかった。 色んな人と話したいんだろうなぁと思って 自分から接触するのを控えてたのよね。 うん、打ち明けそびれたのはそんな訳でした。
(-114) 2010/08/07(Sat) 23時半頃
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[首筋へと触れる温度を受け入れて 見えぬピッパ>>+61の表情を追うように眼差しを向ける。 彼女の言わんとすることは何となく分かる気がした。 両親がいない共通点がそう思わせたのかもしれない]
もっと早く話し掛けていたら…… 何か変わっていたのかな。 私がそんな風になれたか分からないけど あんまり、自信ないけれど…… 一緒に居て一緒に笑って一緒に悲しんで ピッパが無理しないで自分らしくあれる場所が 私の隣だったら、って思っていたよ。
[怖いのに怖いと言わず強がる彼女。 巡礼の夜共に歩いて過った事を口にする。 先の見えない夜だったけれど これから沢山話してもっと親しくなれれば、と思っていたから 出来なかった事を独り言ちるように呟いた]
(+65) 2010/08/08(Sun) 00時頃
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