[穏やかな一行の前に、不意に強い突風と共に大きな黒い鳥が現われる。
鳥の腹の中央には強引に埋め込まれた水晶玉。
そこから聞こえるのは不愉快な笑い声。]
Ladies and Gentlemen!!
音楽を取り戻せるとか思っている甘い考えを持っている獣ども一行はこちらかな。
この慈悲深いヨアヒム様から素敵なプレゼントを2つ送ろう。
一つ、これから毎夜毎に滅び逝く音楽の国を最期まで見届けられる権利を一人に与えよう。何も出来ずに国が滅び逝く様を、孤独を感じる大変素敵な権利だ。
もう一つ、貴様らの中に裏切り者がいる。わしの協力者だな。大掛かりな術を使ってしまった為に呪いを掛けるのに一手間になるが。
隣人を信じるか、疑うか、それは主ら次第。隣の者は何する人ぞか、苦しむがいい。烏合の衆がどれだけ隣人を信じられるか見ものだな。
その音楽の欠片を手に入れるまでの、つまらぬ余興だが、最期の希望と言う主らが苦しみ滅びるむ様を酒の肴に塔で待ってるぞ。
獣の分際で人真似をするのが忌々しい。
精々畜生らしい最期を見せてもらおうか。
[そう言うと鳥の胸の水晶は弾ける。
残った鳥は血まみれの胸を苦しそうに2・3度動かすと小さく鳴くと動かなくなった**]
(#2) 2010/03/21(Sun) 22時半頃