[強気な口調からいつもの懇願口調になったことに、つまらなさを感じて口を尖らせる。
聞こえた鼻にかかった声には、悪がきらしくくつりと笑ったが]
だあめ。
どーしてもいやなら、俺様殴って逃げれば?
逆に押し倒してもいーけど。はは。
[するわけないと分かってるから、そんなからかいを口にして。
下肢に触れていた手が、しっかりと巻かれていた包帯を緩める。
かさついた素肌を撫でて、雄に指を絡めて、悪戯っぽく擦りあげた]
ほらあ、ほらあ。
素直にされたこと言うか、殴り倒すかしねーと貞操の危機ですよー、トレイルくぅん。
[言いながら、首筋を舐めて
包帯を突き破り、ゆっくりと焦らすように牙を埋めていく。
吸血鬼の特性上、痛みはないはずだ。
むしろ、頭が軽くなるような甘ったるい快楽を感じられるのだから、ラッキーと思ってほしい。なんて身勝手なことを]
(*85) 2013/10/15(Tue) 00時頃