[妖の樹の力に惹かれたか、小さな炎>>34が幾つか周囲に散り、ぼうと幻影を残す。
儚い幻が舞い踊る中で、妖の脚全体から幾つもの根が地へ向けて伸び、次々と潜っていく]
化粧もせぬ顔は、人に晒さぬようにしているのだけどねえ。
[一方、地上の根は中心へ、更に天へ向けて伸び、人型の身を徐々に持ち上げていく。
背や肩からは幾つもの枝が突き出し、衣をはだけ、または破りながら、細かく分かれ広がっていく。
その高さは、宙を飛ぶ退魔師にも迫るほど]
さあ。
[幹とほぼ一体になりながら、妖は両手を軽く振るう。
その手の内で、扇の如く広がるのは鋭き縁を持つ葉。
背から伸びる枝にも同様に、刃の如き葉が茂る]
もう、逃げも隠れもしないよ!
[宣言と同時、両手の葉が退魔師に向けて投じられ。
同時に枝から離れたそれらが、妖の周囲へ舞い散った**]
(*48) 2015/02/13(Fri) 16時頃