[己の身の内を焦がし燻り続ける炎を押し宥めながら祭りに浮かれた人いきれや石畳を行き交う下駄の立てる音に耳を傾けていた。
社の何処からか響くくぐもった水音…と言うには濁り切たノイズのように届いたそれにゆるりと眼を向ける。
生者の体に流れる血潮や息吹の持つ熱には程遠いただひたすらに冷たい何かが其処にあって。
嗚呼……これは、と焼け付いている癖に酷く冷えた心に一つ刻んだ。
此処には自分と同じようなものがいるんだ。
もう一つ、それに寄り添うような これは生者の気配に思える。
だって命の炎が暖かく周囲を照らしているように見えるもの。
たまたま、同じ社に足を踏み入れて距離が近付いた事でこの邂逅を察する事が出来たのだろう。
ノイズの内容までは耳にする事が出来なかった。]
ハ、ッハハハハ、ハハ!!なあんだよろしくやってんじゃん
素敵だね、ああ素敵ィ……いいねえ、そう言うのウラヤマ。
(*44) 2019/09/03(Tue) 02時頃