――……夜に村はずれの洞窟ですね?言いましたね?…約束ですのよ?
[>>*5 相手が優しい声音に変われば調子に乗る、単純なお嬢様。
独り、小さく不敵に微笑む。そう、今のお嬢様に怖いもの無しなのだ。
いや、実際は『きっとこの声の主は相当な龍なのだろう』と内心震える思いで一杯だったけれど。
屋敷から抜けて自由の身のお嬢様は、声の主に挑戦するかのように言い放った。
これほどまでの力を持つ龍ならば、きっと自分の望みを叶えてくれるだろう、と。まるで宝物の地図を見つけた気分で、満ちていた。]
……爺?
[急に爺の話題と庭園の話題を出されて目を丸くする。何故。
庭園と言えば、お嬢様と同じ年頃の子供が数人こっそり、何処からともなく入り込んできては、鬼ごっこをしたりチャンバラをしたり。
時にはお嬢様も泥まみれになって遊んだり。
爺の雷が落ちてくるやいなや、蜘蛛の子を散らすかのように逃げる悪ガキ。
彼等との遊びを思い出すと、ぷ、と微笑んだ。でも何故、荘厳そうな龍がそんな事を言うのだろうか。]
解りましたわ……?その位お安い御用ですわ。
――…もしかして、貴方もお庭で遊びたい、とか?
[きょとん。]
(*6) 2013/11/18(Mon) 22時半頃