― 被験者棟管制室 ―
[オスカーとパティの死亡が確認されれば、いつものように研究者に入室許可の通信文が送られる。
それを受け取ってすぐにやってきた双見に軽く手をあげて挨拶をし。
食事の誘いに関するやりとりをする年若い者たちを微笑ましく眺めていたりした]
――おやおや。
ラルフとワンダでクリア、よりはフィリップの健闘に期待したいところだね。
[最初の予想通りではしょうしょう面白くないかな、などと呟きながら、画面を見ている。
試験後のクローンの扱いについては誉が口にすることを否定することはない。
真実、自由になどできるはずもないのだから。
――今迄よりほんのすこし、出歩ける範囲が広くなり、無機質な白い部屋ではなく、ごく普通の私室が与えられるぐらいだろうか。
それすらも、クローンたちが試験の最後まで、壊れなければ、だ。
――人殺しに対する忌避感を与えずに育てたクローンが、この試験後、人殺しに走らないとは限らない。
それを、懸念する声があるのも事実なのだった]
(@8) 2012/07/04(Wed) 01時半頃