【独】 若者 テッド

―　IF　―

[必死で助けを乞うような言葉。
裏腹に、激しい痛みと共に抉られた眼球が元の色が解らないほど血に染まった状態でぺちょ、と小さな水音と共に頬に触れてそのままごろりと頬を転げ落ちていった。

さっきまで自分の一部だったものが
　　　　　　　　あっという間に失われていった。]

…　―――　っぐ

[残されたもう片方の瞳から　涙が毀れる。
この瞳もやがて奪われる恐怖を見透かされた言葉。
悔しくて、なにも抵抗出来ずで―――]

…　な　

[カァンと石の床にスプーンが落ちる音。
視線で追うよりも、目の前の男のもののでかさに
自然と視線を奪われてしまった。]

(-1155) wallace 2010/04/18(Sun) 01時頃