【独】 紐 ジェレミー

―　IF 地下室>>-1084　―

[腹に跨り見下ろした青年の半身はどす黒い赤に塗れている。
金目に浮かぶ憎悪以外の色に、男は幾らか熱を上げる。
スラックスを押し上げる中心は彼の視界にも入ったのだろう]

　遠慮しなくていいよ。

[食事を拒否する青年の口が開いていようと居まいとお構いなし
カップを傾ければ熱湯が彼の咥内を、唇を濡らしていく]

　ほら、美味しいだろう？
　
[つかの間の休息は、青年の命を幾らか伸ばした。
喩え本人が其れを望まなくとも。
男は空になったカップをソーサーに戻し、使う事の無かったスプーンを手に取った。
伸し掛かっていた青年の瞳を覗き込むように顔を近づける]

(-1141) Ayame 2010/04/18(Sun) 00時半頃