―― 回想 校舎 ⇒ 部室棟 ――
[偶然他の皆とは行き違ってしまったのか、校舎内物色の時間や天文部に向かう道中は誰ともすれ違うことがなかった]
……あのさ。
[途中、渡り廊下を通ったときだったろうか。
先ほど数学準備室を出たところでかけられた言葉を思い出した。ちょうどその時は、色々ごそごそしていて、ちょうど自分の気持ちを上手く言葉に出来かったから]
さっき。探してたし、探すよ、そりゃ。
なんか、上手く言えないけど。
昔からメアリーは気付いたら隣にいて。いんのが当たり前で。そんなんは、きっと俺が高校卒業したら変わるぜって周りから言われて。そりゃそうかなーとか、俺も思うわけ。そりゃ、いつまでも一緒って訳にはいかねーよなとかね。メアリーにもそのうち彼氏出来るんだろうし。生半可な奴だったら殴り飛ばして認めないけど。
でも、でもさ。例えそうだとしても、こんな訳わかんねぇことで、離れてそれっきりとか、嫌じゃん。認めないぜ、俺は。
だから探すし、一緒に帰りたいと、思うよ。
[言い終わると、ぐちゃぐちゃになって、照れて、少し足を速めた]
(366) 2010/08/03(Tue) 20時頃