―広場―
[難しい顔をした親方は、長老達のところに行って来るといって、見習いの若者には詳しいことは何も言わずにその場を立ち去り。
あいかわらず無口な親方にやれやれと肩をすくめて見送った]
ちったあ話してくれてもいいのになあ。
[祭のことでは口が重い長老達が気にはなるけれど、そもそも深く考えることをしない若者にとってはそれが当たり前であった。
村の外の世界と時代が違う、というようなことをいわれることがあったとしても、生きて行くのがこの村だと、それを当たり前に思っている若者にとっては因習がどうのこうのというのもまたある意味日常の一つ]
――まあ、とりあえず、人の手で為されたのかどうかぐらいは自警団が調べるだろ。
[小さく呟き。
どうしたものかと広場を見渡して――暇そうな、もとい話しかけられそうな人がいたらそちらへと近寄るつもりで視線をさまよわせた]
(320) 2010/07/30(Fri) 22時頃