[なるべく音を立てないように、森の中を進む。森の中はおろか、田舎道を歩くことすら少ないイアンのことであるから、音を隠すことはできていないかもしれないが。]
「生贄」は12人――しかし「巡礼者」は13人。
「生贄」は誰に捧げられるものでしょう?
「生贄」は「御使い様」に捧げられるものです。
では、「巡礼者」は何に対して巡礼を行うのでしょう?
「森の中」を廻るから?
「柊の葉」を摘んでくるから?
[誰に聞かせることなく、ぽつぽつと呟く。]
何故「ハジャアールトゥー」……同じ言葉の中に、「贖罪の巡礼者」と「生贄」と「浄化」という言葉が付加されたのでしょうか?
それは異なる機能を持ち合わせている故に、異なる言葉として分類されてもおかしくない。
「生贄」が「浄化」されるべき存在?
「贖罪」とは、何か原罪的な要素も含んでいるような気がする。
この村の祭は、誰の為に、何の為に、行われるものなのでしょう……?
(294) 2010/08/05(Thu) 23時半頃