―どこかの戦場―
[第14が死者を埋葬しているすぐ付近で、再び上がる戦火。
生存者の民間人を先導し、周囲を警戒しながら、森を抜けて脱出しようとしたその時。
一匹の鷹が自分めがけて舞い降りる。
慌てて腕を出し留まらせれば、その羽ばたきで土に汚れた白衣の裾がひらりと舞う]
……!?
[こんなに賢い、しかも自分の腕に止まるような鷹は一匹しか知らない。
小動物に触れるのは、未だ怖く、軍を離れて避けられるようになってから身構えていなかったため、一度びくりと身を引いたが、すぐに周囲を見渡す。]
アンジェラ、お前ひとりなの?ナユタは?
[問えば、鷹は主の居所を教えるべく舞いあがろうとしただろうか。主が共に居ないことに不安がよぎる。
慌てて振り返り、生存者たちへと告げる]
あと真っ直ぐ行くだけで森を抜けることができる。向こうはもう戦闘はしていない。このまま進んで。
申し訳ない、私は寄るところができた。
[避難者のリーダーが頷けば彼らを送り出し、アンジェラの後を追う]
(279) hinaki 2011/04/05(Tue) 23時頃