そうでないあり方を知って、考え、その結果『因習に囚われていれば』何も変わらないと貴方は言うのでしょう。
私は、現状がその因習を壊れる予兆に思えてならない。
その切っ掛けは愛理が殺害された事だ。
貴方には愛理を殺す理由がある……こうなる事を予見していたのでは、と思ってしまうんです。
[誤魔化す事もなく余所者であったと告白する女を見る。
まるで動じる事もなく微笑みすら浮かべてこちらを見ている女。
動揺して時折肩が揺れ、視線が揺れる男と比べて随分と落ち着いている。]
……下手人探しなど出来ぬと思っていた。
しかし今は貴方が疑わしい。
だから今、疑わしい人を殺せと言われたなら迷わず貴方を殺しますよ。
[落ち着きなく視線は揺れていたが。
腹を括ってしまえばその視線も定まっていく。
女を真っすぐに見つめ返し、答えを出した*]
(253) 2017/11/27(Mon) 00時頃