[相手の出方を緊張しながら待っていると、吸血鬼は空へと飛翔する。
返答がなかったと言う事は、やはり先ほどの文字は偶然だったのだろうか?
無傷で逃げる事など、すぎた望みだったのだろうか。
自分の手から糸が出てる事にも緊張の余り気付いておらず。
まして、まさか言葉が通じてないとは考えにも至っていない。
上から攻撃をしてくるつもりだろうかと、きゅっと表情を引き締めながら視線だけで見上げる。
もっとも、相手には片目だけのガラス玉がギョロリと動いたように見えるのだろうけど]
――…オ――… …――カシ――……
(逃げ通すのは…やっぱ無理かしら)
――……ヨ…… ――コ……セ――…
(向こうの妖精が吸血鬼を攻撃しててくれれば…
その隙を狙って、何とか逃げ出せそうなんだけど…)
[出来ればこのまま脱兎したいのだが、背を向ければそこを狙われるかもしれない。
そう思うとうかつには動く事が出来ず。
相手には通じてないだろうと安心して、不安を打ち消すための独り言を呟く]
(218) 2011/10/22(Sat) 22時半頃