ーー自室ーー
[解錠し、自室に足を踏み出す。
そしてそのままベッドへ直行した。道すがら、机の上の空調のリモコンを取り、冷房をかけるのは忘れない。
ベッドの隅にジャケットも投げ捨てて、その上にリボンタイを重ねる。ついでにシャツも四つばかり前を開けてやれば、やっと息苦しさが軽減された。
随分とみっともない格好だが、どうせまだ誰が来るわけでもないだろう]
はー……。
[深く息を吐いて、ベッドにダイブする。スプリングがぎしりと悲鳴をあげたが、そんなのは見ない振りだ。
先にベッドのサイドテーブルに置いてあった本を手に取り、ごろりとうつ伏せになる。
垂れてくる前髪を耳にかけ、筋張った指先で表紙を捲った。それと共にゆるりと空調が効いてきて、室内の温度もグンと下がる。
読みたかった本に、寒いくらいに冷えた室内。それが堪らなく心地良い。
ーー嗚呼、しあわせだ。
この幸せが、永遠に続けば、良いのだけれど]
(212) 2014/06/22(Sun) 18時半頃