主賓が来るまでに、この顔を如何にかしてくるよ。
[よもや警官に一杯食わされているとも知らず。
挙動を怪しまれないように必死で、小物は取り繕い
早足で並べられたテーブルの間を潜り、テラスを後にする。
その際、遠目に見ていたロングドレスの女性>>171と擦れ違った。
一目見るや、目覚めるような美人だと
何となしに目で追い――…その目が重なり、声が届く。
ハンカチでも、帽子の鍔でも隠せない目が瞠られ、]
少し、酔いが回って………ね。
主賓が現れる前に、顔でも洗って来ようかと。
ああ…… 門の方には、近寄らない方が良い。
ね、鼠でも入ろうとしたんだろう。 妙に騒がしい。
[既に距離のある門に目もくれず
白々しくそう告げて、彼女の横を通り過ぎた。
彼女はそんな気などないのだろうが、背中に視線が突き刺さるようで――…]
(198) 2012/09/24(Mon) 00時頃