[花の身>>180を自分に預けてくれると思いきや、そそと真正面に座って頬へ、胸へと手が充てがわれる。人肌が滑る感触。
飛び込んで来やしないかと期待したのは本の束の間だった為に、これもまた良しと思って苦笑いをすることにする。
歪んだ口元に触れる指先を、強請りの仕草だと決め付けて。
煙草を掌の中で潰すと、代わりのように相手の指先を口に含んだ。
軽やかなリップ音が小さく響く。]
欲しいモンがあるなら口で言え。
お前はどうも……言葉足らずだ。
昨日も、今日も、"お前の"言葉にできないまま落ち込んでたんじゃねェのかよ。
[辛気臭ェったらねェわ。
最後に呟く。それは先程、目当ての花>>181と視線があって思わず逸らした自分に跳ね返ってきて。刹那の失笑。
再び笑みを浮かべた頃には、相手が何事か反論しようとしたとしても、その唇に強引に舌を割り込んで。煙の余韻漂う舌先で相手の舌を誘っただろう。
反論してみろ、とでも言うように、笑ながら。]
(187) 2014/09/19(Fri) 00時半頃