―自室―
[風呂に入るにせよ、着替えが必要なので、ひとまず部屋に戻った。
整然と並べられて参考書や衣服。クローゼットから、畳んだ他の服を崩さないように部屋着を取り出す。
そのまま、浴場へ向かおうとして――自室(の自分のスペース)に、満足気に鼻を鳴らした。
恐らく、男子高校生にしてはかなりきれい好きな部類に入ると思う。
潔癖云々というよりは、ものが散らかっているのが許せないのだ。
必要最低限のものを、きっちりと並べる。
同室者にまでそれを強要しようとは思わないが、景観(というほど大層なものではないが)が損なわれるのは気分も良くない。
挙句、ついつい口も手も出しそうになるので、過去には一度、同室を解消する騒ぎにまでなったことがある。
そんな、味気のない部屋にも、ひっそりと置かれた必要最低限ではないものが、少し。]
(182) 2014/12/29(Mon) 23時頃