― 寮・食堂 ―
[さすがに小犬を抱き抱えながらの注文はマズいだろうと、エルゴットの分も自分が一緒に頼もうか、などと話していたら、幼馴染から声がかかって>>165
何となく、気分が高まっていくのを感じて、そちらへと顔を向けると、化粧を施された彼女の姿が]
……あ、おはよー。
えっと、ジリヤ、でいいんだよね?
[十数秒間見とれた後に出てきた言葉は、何とも気の利いてない言葉で。
化粧をした彼女を見るのは初めてだったか。
普段とは違う色づきの顔立ちの、筆舌に尽くしがたい美しさに、感嘆のため息をついて]
――綺麗、だね。
それに、すごく似合ってる。
[思ったままを口にした言葉は、非常にありきたりなもので。
もっと、凝った言い回しはできないものかと自分では思うこともあるが、残念ながら、男はそんな言葉がパッと浮かぶ頭を持ち合わせてはいないようだ]
(178) 2014/03/04(Tue) 07時頃