じゃあ死なないでよ
[血を吐くような声でそういって、しゃがみこんだ相手に虚ろな目を向ける。
抱き上げられてもおとなしく、下ろされたシーツの肌触りに頬擦り。
針が潜り込む痛みには、びくと震えたが抵抗はやはりしなかった。
手を握り返し、顔を横にして床に視線を向ける]
……そんなことないよ
[ぽつり、零れた言葉にそう返す。
だって俺が、そんなふうな人になれるわけがない。
あり得ない冗談を聞いたように、くすくす笑いが落ちる。
じきに、薬が回って落ち着いてきたせいか、傍らの温もりのせいか、うとうとと眠りに落ちていく。
視線は最後まで、翼の生えた影のあった場所を見ていた]
(ミーナ先生の影がってことは、ミーナ先生はやっぱり、人間じゃないのかなあ。でもミーナ先生は人間って言ってるし。でも、
……いいか、どうでも)
……先生好きー。
(163) 2013/02/24(Sun) 22時半頃