[>>141なにがそんなに嬉しいんだか、リンゴみたいな頬っぺたをしてへらへら笑う馬鹿を見ていたら、少しばっかし和みがもたらされた。
戸を一枚隔てた非常識空間のことなど一瞬忘れそうになる。いや、忘れずに今後の付き合い方を後で真剣に考えるが。
とりあえず部屋の掃除くらいはさせよう、と決めたところで一旦心の戸棚へ入れて放置しておく。
くるくる回る犬を見ていたら、ちょっと口元が綻んだ。
その阿呆に声をかけて、部屋に戻ろうとしたとき
するりと、掌に滑り込んできたやわこいもの]
あ゛ー……?
[手を軽く持ち上げ、家事の手伝いをしてなさそうな綺麗に揃った五本の指にしっかりと掴まれた自分の手を眺める。
心底めんどくさい顔をしてしまったが、まあ振りほどくのも哀れだろう。
それに、別にイヤではない。
だからそれ以上はなんの反応もせず、軽く握り返してやった]
(147) kaisanbutu 2014/11/01(Sat) 00時半頃