[ プール ]
[ ―――ぞわりと、 粟肌が立った。
まるで敵意を向けられているような、 「悪い」視線が僕に絡んでいるような。
この感覚は、 何百年もの間に、何度だって。
僕は鈍い。亀だから仕方が無いと、馬鹿にされることもある。
―――この鈍さが、命取りになることだって。 ]
モ、スキー ト 、
[ 壁際、ひやりとして、陰りのあるそこに凭れようとしたところで、>>131落とされた影。背後から聞こえた音。
振り返ったときにはまた遅く、 ―――どんな嗅覚してるんだよ、とさえ、思ってしまった。
被せられた面体。 きらりと輝くレンズの奥、目を細めてわずかに見えた「色」。
星の流れる、綺麗な空。 深い、宙のいろ。……とは、全く違う。獰猛な、いろ。 ―――その焦点が僕のものと重なり合うのは、あっただろうか?
背中の付け根から飛び出る尾に触れる指先は、何のため?――なあんて、そんなの、 ]
(146) 2015/07/11(Sat) 02時半頃