[落ち着かない頭を整頓しようと、テーブルに置かれた珈琲のカップを手に取る。いただきます、小さく言って口を付けた。
味も臭いもちゃんと感じる。ますます奇妙でしかない。一体何が起こっているのか。
ふと、斜め前に座る男が目に入る。>>91先ほど少し荒ぶっていたが、幾分落ち着いたようだ。子供の心配をしていたようだった、それは興奮するのも無理はない。ちり、と一瞬、何かが引っかかる。子供。何だっけ。
そういえば、シーサーがこの男の死因は心筋梗塞だと言っていた。
だとしたら、死んだ心当たりすら無いのかもしれない。
少し考えてから、斜め前に座るガテン系の男に、控えめにあの、と声を掛ける。]
…急に死んだの生き返るだのラブゲームだのいわれても、ついてけないスよね。
でも、そこのかみさまが言ってること、間違いない部分もあります。
その…確かに、死んだんです。俺。だから…、恋愛するとかはともかく、今はとにかくここに居る人たちと現状を打開する方向に動くしか無いのかな、って。
[帰りたいなら。
ぽつんと付け加えた言葉。男はどう反応しただろうか。
康太はあらかた自己紹介を終えたらしい面々に向き直り、自分もそれに倣った。]
(146) 2014/03/15(Sat) 21時半頃