……え、ああ。
あとひとり。キリシマ院長でしょうか。
ヤニクさんのような方の方が珍しいですよ…。
[結局会話を続けることにしたらしいクシャミから言葉>>140を唐突に投げられて、少し慌てながら対応した。
ずらしたマスクの下にカップを当てて、頬の熱を覚まそうとほろ苦い珈琲を流し込む。]
え、弟?
…ああ、いいえ。彼の病気を知ったのは、この道を目指してからですし。
ただ、堅実な仕事に就きたかっただけですよ。
[おもむろに弟の名前を出されて、彼にそんな話をしたことはあっただろうかと動揺したものの、おそらく先ほどのオスカーとの会話を聞かれていたのだろうと納得する。
"人の役に立ちたいから"、だとか、そんな耳触りの良い言葉で誤魔化しておくべきだったかもしれないけれど、あいにくそんな機転は持ち合わせていない。
結局そのまま、飾り気のない理由を口にして、つまらないでしょう、と。それから、]
…天使じゃあなくてすみませんね。
[せっかくなので、最後の言葉にも乗ってみる。慣れないそんな軽口は、上手く言えたかどうかは分からないけれど。
どこか懸命に会話を続けようとしてくる彼に、自分なりの意趣返しのつもりだ。]
(145) 2014/06/22(Sun) 02時半頃