―回想>>87>>124―
[自分の野次>>78に気を悪くした様子もなく、胸を張るカルヴィンに面食らう。
気が抜けたように、あいかわらずだなあとため息をつきながら、なぜかとても悔しい気分だ。
彼はいつもこうだ。
子供であることを認め、子供であることを楽しんでいる。
それにはカルヴィンなりの理由があるのだが、そのことをトニーは知らない。
彼を一人の同年代の友人としてみているトニーは、そんな彼を単純に羨ましく思うのだった。
カルヴィンを肩から下ろした青年は、彼の頭をそっと撫で、同じように自分の頭にも手を伸ばした。]
――こ、子どもあつかいすんなよっ…!
[顔を赤くし、言葉では反抗しつつも、頭に乗せられた手を払いのけることはしなかった。
本当は嬉しいくせに、素直に受け取ることができない。]
・・・・・・・。
[お前も来るか、との問いに、口を噤んで目をそらす。
内心、その誘いに乗りたいくせに、行くとは口が裂けても言えなかった。]**
(135) 2013/11/18(Mon) 00時半頃