[サイラスのカップが空く前に、茶器で紅茶の追加を淹れる。
柔らかな薫りは冷えた外気を一時忘れさせてくれる。
相変わらずソフィア君のところの茶葉は、良い香りです。誰に言うでもなく口にする。茶葉を蒸らす間に、サイラスへの謝礼の銀貨を気持ち多めに包んで、手渡した。]
──、…サイラス君も、渡るのですね。
[二人の会話を聞くと、また、目を細めて。
寂しいのだろうか、何か感情を押し込むようにココアを飲み込むクシャミの真っ黒な髪を、やわやわと撫でた。
チャールズ自身に寂しさが無いかと言うと、無論そんな事は無い。しかしそれ以上に彼の旅の無事を願う。例えば遠い地に渡ったサイラスが、そのまま戻らなかったとしても。
彼自身の生が続く限り、どうか健やかに。と。]
長旅では何かと入り用でしょう。御手伝い出来る事かあれば、仰ってください。
[クシャミの髪を撫でながら、相変わらず穏やかに笑うのだった。]
(134) 2013/11/18(Mon) 00時半頃