あ…ご丁寧に…どうもです。
[アルコールが回ってき始めたのだろう。
ほんのりと赤みのさしはじめた顔で名乗る騎士を見つめ、何処かしまりのない挙動で再び頭を下げた。
それから、ワインを口に含む彼の所作を見て、なるほど、少量ずつ飲むのか…と微かに思ったものの、既ににはい、ほぼ一気飲みをしてしまっている。
作法的な問題もあるが、その他諸々、既に手遅れだ]
いいえ、私なんて全然…先ほどもちょっとうっかりしてしまって、お話どころではありませんでした。
[先ほど、王女の部屋でのことを思い出す。
そんなところへ本人たちがやってくれば、拍手は送るものの、先ほどの失敗を思い出すのか何処か気恥ずかしそうに目をそらした]
箔だなんて…私は本当に、少しお手伝いをしただけですから。
[物を運んだり片付けたり。
主な婚儀の手伝いなどは皆無だった]
あ、はい…大通りの教会です。
[とはいっても、本当にまだまだ見習い。『教会の者です』と胸を張って名乗れるのはまだ暫く先だろう]
(129) 2013/02/16(Sat) 01時頃