――……僕は、ラルフさんを殺そうと思っています。
神無に、神は要らない。
天使達にとっても。「神無」も、僕のペルソナ―…サマエルも、倒すべき悪でしか、無いのでしょうし。
……僕も、後悔しない為に。
「神無」を成す為に―…その為なら。悪魔の力を借りたって、自身が悪魔のように思われたって。構いません。
[「知りたい」と言った少年に向けて。幼い少女が聞いていても、構わず静かにそう言って。冷たさを帯びては居ても、その表情は静かなまま。
そうして、彼にかけられた言葉>>25を思い出す。]
哀しくて、泣けるならまだマシでしょう。
泣けなくなったら、哀しくならなかったなら。
それは、本当に生きている、と。言えるのでしょうか。
――……楽しかったから。幸せだったから。
だからこそ、泣くのでしょう。
[涙を流す事の無い自分と。泣きじゃくっていた少女の姿を、脳裏に浮かべていた。]
(125) 2010/06/07(Mon) 21時頃