[言いかけた言葉には察しがついて。仲良しこよしがしたいわけではないから、気等使ってくれなくても良いのだが。まあ、気持ちは受け取っておこう]
……売られた喧嘩を買っただけだ。
ふん、とんだチキン野郎だったがな。
[酒の臭いは兎も角、血の臭いは先程の自傷のせいなのだろうけれど、深く話すつもりは無かった。聞かれて面白い話でもない。誰が好き好んで己の痴態を晒すというのか]
さっさと行くぞ、重い。
[少し歩いただけで、既に息がきれそうだ。早足でラウンジに向かう。近くにあるというのなら、この会話をしている内にも到着するだろう。
観察する様な視線が鬱陶しい。
言葉遣いに気を遣うくらいなら、その不躾な視線を止めてくれた方が余程助かるというものなのだが。
笑みを形作る唇と、前髪に隠された瞳と。どうにもちぐはぐな印象を受ける。
けれどまさか前髪を上げろ等と言える筈も無く、一つ鼻を鳴らした。気に食わない]
(120) 2014/06/25(Wed) 22時頃