……あ?
[ある路地裏を覗き込んだ時。不意に大声で呼び掛けられて、瞬き、眉を寄せた。
乱暴な調子に一瞬反射的に苛ついたが、直後、己のする呼び掛けも大差ないという事に思い至り、気にしない事にした。それよりも新たな人間に出会えたらしいという事が重要だった。見れば、路地裏の奥に人影があるようで]
別に、逃げやしないっての。
……や、俺はさっき逃げられたけども。
[路地裏の入口に佇み、駆け寄ってくる人影を待った。
人影が人影でなくなるまでの近くに来れば、その姿を一瞥してから]
えっと……あれだ。
お前も、美人な姉ちゃんに会って?
[少し考える間を置いて、そう確認するように問い掛けた。呼び掛けから、この相手も「同じ」なのだろうと推測して。スタッフの類かと確認する気は、もうなかった。非現実を正面から受け入れられたというわけでも、*なかったが*]
(120) 2011/10/19(Wed) 11時頃