[ちびちび。啜るように黒い液体を嚥下する。
マズすぎる。悪意すら感じる。苦いだけじゃないか。
真っ黒なコーヒーを直視する気も起きなくて何処となしに視線を向けていたら先程の興奮少女>>112が手振ってる。
あの手は自分に向けて振られているのか。
少なくとも自分の近場に他に人間はいないし。
ちょっと考えてから、軽く手だけ振り返した。
耳元の爆音じみた音楽で何言われたのかまでは分かんない。
まさか照れ屋さんと思われてるとはね。]
…。
[欠伸が出る。我慢してこんな物を飲んでやったというのに。
俯いて髪を雑に引っ掻き交ぜて、顔をあげた時に此方に向けられる視線>>113に気づいた。気付かなかったフリでもして、すぐに別の方角でも見ようと思ったけれど。兄に釣られた様に此方を見る黒髪の青年>>114にも気付いたから顔を顰めた。
さっきは兄と誰かがいるななんて。そんな程度の確認で顔を背けたからそれが誰だったかまで認識してなかったもんだから。今更それが誰かを知る。あいつか。
彼が僕の事を僕だと覚えてるかどうかは定かじゃあない。
それがまた、腹が立つのだけど。]
(116) 2014/06/21(Sat) 22時半頃