−噴水広場−
[街の中央に位置するこの広場だ、夜が明ける頃には散歩に通りかかる人もいる。すぐに人目についたのだろう。今朝にはもう遺体はなくなっていた。いつかも座っていたベンチに座り、通りを歩く人々を眺める。時折ひそひそと足を止めて何やら話し込んでいる人もいる。…の足元には一羽のうさぎ。そして膝の上にそれより二周りほど小さい子うさぎをのせている。]
……普段、あまり外にでないって言ってたっけ。
[少女の屈託のない中に、どこか陰りを帯びた、強がるかのような笑顔を思い出した。>>2:243
なぜ会ったばかりのあの少女に優しくしようと思ったのか、自分でもわからなかった。昨晩、血の海になったイグニスで、淡々と死体の処理などを指示していた自分は確かに笑っていたが――その笑い方が、どことなく自分と似ていたからかもしれない。]
(103) 2011/11/14(Mon) 23時頃