―少し前>>98―
[実はこのHRに間に合ったのには理由があった。]
やべえ、迷った!
[廊下を駆ける少年。廊下を走っちゃいけないなんて校則もあるだろうが、遅刻よりはペナルティが低いだろうと思ってのこと。
しかし、一向に目的の教室は見つからず――廊下の角を曲がったそこで、相手が回避してくれたらしいが、それでも肩がぶつかってしまう。]
あ、あああ!す、すみません、すんません!!
[怖い先輩だったらどうしよう、不良さんだったらどうしようとこわごわ顔を上げれば、どこか中性的な顔立ちの綺麗な――だけど男の先輩のようだった。]
おあ!俺は大丈夫です!
[心配までしてくれる相手にへこへこと頭を下げ、それから更に新入生の教室まで教えていただいた。]
!!! 先輩!!恩に着るっす!!
こここ、今度お礼、したいので、お名前だけ聞いていいですか?
俺、音上九零!ご察しの通り新入生です!
(102) 2015/04/14(Tue) 20時頃