そして、冬は君の透き通った素肌のような、真っ白な雪景色が世界を覆うらしい。
君のお友達、アイリスと言ったか?
彼女と一緒に眠るにはいい場所だろう?
[そう告げて、静かに掘り起こした穴へ棺を埋めた。
木で作りだし、生み出した十字架を突き刺して、手折れた花を一輪添えた。]
武骨な墓ですまない。
この景色に免じて赦してくれ。
[最後にそう言葉にすれば、いつか断ち切らせた左腕に種を植える。
左腕は触手のモンスターがぐるぐると棺を守るように…。
そうして、最後に自ら土を被せた。]
俺はもう一つの探し物をしてこよう。
あの日、俺は確かに死んだはずの彼女が息を吹き返している姿を見た。
きっと広い世界のどこかには、同じように命を取り戻す術があるのかもしれない。
冷静に考えれば、そんな可能性もあったのに暴走してしまった。
(100) りおん 2013/02/27(Wed) 11時半頃