[カリュクスの動揺に、不安に、気付く事は無く。
震える体>>@12も、絞り出すようなその声>>@13も、喜び故だと信じて疑わない。
けれど果たしてそれは、ただ幼馴染の病の治癒を喜ぶがための盲目さではなかった。
そこには、これまで癒す事の出来なかった病を治す事が出来るのだと、医師としての達成感も含まれていて。
それが無ければ……純粋にカリュクスを想っての喜びであれば、彼の変化にも気付けたろうか]
……礼なんて、いいんだ。
貴方を癒す事が、僕にとっては至上の喜びなんだから。
[浮かれきった頭では、彼の笑顔の歪みに気付く筈も無い。
彼がどう思ってこの報告を聞いているのか、そこまで考える余裕なんて無かった。
だから、この会話は自分の歓喜を押し付けるばかりだという自覚も、もちろん無い。
だから軽い口調のまま、言葉を続けるだろう]
(100) 2014/06/21(Sat) 16時頃