[これは閑話だが、今は一介の学生である伶にとって、イースターの回答>>74は一つの気付きをもたらすものだった。
『バベルの塔建立の後言語の交換は人類にとって非常に複雑になった』
なるほど、人類はその文化や言語の違いから、互いに理解しあえない状況にまま陥る。
だが、時にそんな言語の違いという壁を容易く越えるものがある。
―――そう。歌の力だ。
強い意志の込められた歌は、時にそのリリックに用いられる言語すら重要でなく、その真意を雰囲気で伝えることができる。
ならば……全人類が、常時歌でのコミュニケーションを行えるようになれば?
バベルの塔建立以降に言語を神様に乱され分かたれた人類は、雰囲気で再び一つに纏まれるのではないだろうか!
ならば……そう、「無限に歌い続けられるヒト」を遺伝子操作で実現することこそ人類のブレイクスルーとなろう。
そしてそれは、神様に対する最高の嫌がらせになるのではないか。
―――拗らせきった将来の遺伝子工学研究者のこの気付きが、人類の未来を変える事は果たしてあるだろうか……?
それはきっと、神様も知らない(知りたくもない)話だろう。
本当にどうでも良い閑話である。]
(95) 2020/01/09(Thu) 00時半頃