[――竹箒を構えたたまこに、スコップを携えた亀吉。おまけにレティーシャ。
ああ、このままでは殺られる。確信した。
きっと、たまこが構える竹箒は、仕込み刀に違いない。
そしてスコップは、戦争ではしばしば武器として用いられたという実績ある凶器だ。
刀で刺され、スコップで頭を割られ、自分はダンボールとして死ぬに違いない。
そんなのは嫌だ。誰にも知られずに逃げ切りたかったが、最早、致し方ない。
――ああ、俺はやっぱり、スネークにはなれなかった]
…………事情はあとで説明するから。
いまは何も聞かずに、誰か、脱衣所から俺の服を取ってきてくれないか……。
[ダンボールのなかから、降参を告げた。
あとで笑いものにされる未来は確定したが、殺されるよりまだマシだ]
……あと、ついでに、あの猛犬を風呂から出してやってくれ。
[それで大体、事情を察してください誰か]
(95) 2012/08/13(Mon) 16時頃