ほう、寝てたとな。
[雛見に(悪気なく押し付けようとした)仕事から、うまく逃げられた苦い記憶が蘇る。
今日こそ逃がさんぞ、という決意の元、一条からの問いかけは頭半分で聞いてはいた。]
朝食はまだだが。
[答えながら、彼の指す方を見て、思う。
ーーこいつ、食事を取るのが遅そうである。
彼の礼儀作法が為っているのは寮生活でたびたび目にする所作から見て取れるが、なんせ自分は夕食も5分で済む人間である。人の食事シーンをそうまじまじと見詰める機会もなかった。
故に、実際のところは分からないが、お世辞にも早食いが得意にも、するようにも見えない。
さて、]
……食事には長くかかるか?
手始めに、お前らの部屋から片付けてしまおうと思うんだが。
一条、お前の部屋に俺を招待しろ。
[そして奴は叩き起こす。
目に鋭い光を宿しつつ、彼が食事を取るようなら、自分も手早く食堂で朝食を。]
(82) 2014/12/30(Tue) 23時頃