―回想・宿の夜―
[深夜、眠りに付いた軍馬の夢に柔らかい白い光に包まれた光景が]
(お前ら、このお宝を見てごらんね。きらきらのぴかぴかだろい。こりゃあものすっごく珍しいお宝でねぇ…)
[お宝の前で顔を寄せ合って、子烏たちが目を丸くしている。子烏達の姿を嬉しそう見ている男は、えへんおほん、と宝について語っている]
(ねぇ!親方、僕らもそのお宝磨いてもピイピイ!)
(あたしも!磨きたピイピイ!)
(いんや、まぁだだめさぁ。よーく仕事に励んで一人前にならなきゃなぁ。)
(親方みたいに?!)
(なるよなるよ!僕なるよ!)
―ああ、楽しそうな幸せそうないい光景だなのぅ。こんな信頼されて仕事に誇りを持って、仲間を大事にする男が、裏切りなんかする訳がない。―
ふぁーぁ…。鏡が見せた夢だったのだろうな。うむ。
ああ、いーい朝だ。
[朝目が覚めた時、夢と解っていても幸せな気分は残っていた]
(73) 2010/03/23(Tue) 23時頃